
北海道フードマイスター由美子さんが第1号から書いてくれています。
考えさせられる事もいっぱいです。
1〜10 11〜20 20〜30 31〜最新号
11〜最新号は新しいウインドウで開きます。
| 1 千産千消〜旬産旬消(2005.5) 千歳は石狩管内でトップの農業生産のある町です。冷涼な気候は病害虫の発生を最低限に抑えてくれ、安心できる農産物がたくさん作られています。しかしそれが手に入る仕組みが出来ていないのが千歳です。農業の方では市内あちこちに直売所を開設していますが、とても市民の口に足りるものではありません。身近な市民に愛され、支えられる農業こそが見た目のきれいさよりも、安心安全な農産物を、その生産に関わる物語とともに手渡しできるのです。少しずつでも生産量を増やしながら市民との交流を大切に『夢菜(ゆめな)とりたて野菜市』が5月21日オープンです。 |
| 2 今年はどんな年!(2005.6) 猛暑と言われた昨年はスイカもモロヘイヤやゴーヤもよくできたのですが、今年はもう辛いわ。5月の平均気温はずっと平年を下回っています。キュウリの苗はいじけ、平年なら蒔いて数日で出そろう小松菜など葉菜類の芽が10日以上かかってもまばら、不安な声ばかりが仲間から聞こえてきます。植物はそれぞれの適正温度でなければ発芽せず、毎日の温度を足して成長する(積算温度)ので、よほど暑い日が続く6月を迎えられないときびしいかな。 |
| 3 食を伝える(2005.7) 先日、厚田の浜で懐かしい気がして「糠ホッケ」を買いました。早速洗って大切なことをすっかり忘れたままグリルで焼いたわけです。本来、魚を糠で漬けると言うことは保存食なのですから当然塩がきつい、塩出しして味の調整をしてから焼くものでした。 私は海外産「甘塩」のすぐ食べられる切り身に慣れすぎていたのだと、あらためて感じました。魚も「地産地消」を考えると「旬」があります。北海道で水揚げがない時期には当然保存用に加工されたものです。加工品にはやはりその地域独特の方法があり独特の味があります。農業の産物の糠と魚が結ばれてのおいしさもまた食文化として日本の誇るものでしょう。 私も子どもに塩出しの必要性を体験させた文化の伝承者です。チャンチャン! |
| 4 本当にとりたては美味しいか?(2005.8) とりたて野菜市という名前に時々違和感を感じます。それはその野菜によっては獲ってすぐが美味しいとは限らないからです。カボチャは適期に収穫してから1週間から10日くらい暖かい日陰で追熟させると美味しくなります。ヤーコンも追熟で美味しくなります。ジャガイモは掘ってから乾かさずに袋に入れると腐ったりカビたりしてしまいます。ほうれん草や小松菜は夕方に収穫したほうが美味しく栄養価も高いのです。日中の光合成によりたくさんの栄養を葉に貯めこんだところで収穫して、、しおれないように20秒くらい水につけるとパリッとして美味しさもたっぷりのまま次の日の直売に備えます。朝まで畑に置くと日中貯めた栄養を夜の間に消費して代わりにシュウ酸がたまります。葉菜類は夕方取りが美味しくてシュウ酸も少ないのです。本当にとりたてが美味しいのは、アスパラ・トウモロコシ・キュウリや茄子ばど。特にこれからはトウモロコシですね。私たちはガスに鍋をかけてから収穫したいくらいです。本当に美味しいときの美味しい食べ方が旬ですね。ですから内地送りする場合でも、できるだけ収穫から空港まで近いところの物が間違いなく美味しいのです。私たちのゆうパックをしていますが直前収穫で9時に箱詰めして11時には空に飛び立つようにしています。 どんな野菜でも食べ時や保存方法を大事にしている直売所の贈答品を使ってみませんか?あなたも味見してからどうぞ。 |
| 5 環境を守る(2005.9) 日本は水に恵まれた国、特に美味しい千歳市は水道料金も安く、水のありがたみをあまり感じていないかも知れません。しかし私たちもたくさんの外国の貴重な水を消費しています。それは輸入食料に含まれています。 お米や麦・トウモロコシなど穀物の生産にか1kg当たり1000kg=1トンの水が必要だそうです。つまり、世界的に水が不足しているにも係わらず、その貴重な水を日本は大量に輸入しているのです。 そして遠くからたくさんの物を運ぶための輸送燃料・CО2の排出も相当なものです。大量の農産物の輸入は双方の国と地球を傷める結果となるのです。地域内消費こそ環境を守る生活だと思います。 |
| 6 行事食(2005.10) 中秋の名月、何とか見ることができました。 予報を裏切って顔を出してくれたおぼろ月でしたね。お団子がこの日の行事食でしょうか?私はイモ団子で代用しましたが、米粉のお団子も食べたいなぁと思いました。 おせち料理・節分・ひな祭り・こどもの日〜行事食は季節の野菜中心の和食であることが多いのですが、健康志向のメニューが多いと思います。家族のお祝いの日もあなたの家の特別料理はありませんか? 運動会のごちそうなんてのもありますね。行事食を大切にすることは家族の絆を強める事と、季節感や日本の味を次世代に伝えること、行事食の大切な役目ですね。 |
| 7 ホッチャレはヘルシー(2005.11) 先日佐藤水産の方と会う機会がありました。こちらで使う鮭は北海道に帰ってくるシロザケやロシアなどで産卵するギンサケ・紅鮭です。よくスーパーで眼にする「トラウトサーモン」は主に北欧で養殖、本来大海を回遊する鮭を大量の配合飼料と抗生物質で育て、海底はヘドロの海と化し、養魚場は移動するのですが、その海が生き返るには長い年月がかかるとか。視察した佐藤水産では決して養殖物を使わないことにしたそうです。 「千歳で揚がる鮭はホッチャレだからみんなスーパーで買ってますよね」と言うと、「ホッチャレは油が落ちていて淡白でヘルシーなんですよ」と言われました。昔よく青葉の中村商店からインディアン水車の鮭を買い、トバや鮭フレークなど作った事を思い出し、そこにもどるべきだと感じました。 |
| 8 根菜類であったか生活(2005.12) 寒くなってきましたね。冬になると我が家では室から出してくる野菜が中心となります。キュウリ・茄子などは来年の旬までお預けです。大根・ジャガ芋・人参・ゴボウ・ネギ・タマネギ・白菜・キャベツ・南瓜に長いも・・ってところかな。ああ豆類もある。その他に大型の冷凍庫からは、インゲン・豌豆・トウキビ・青菜・椎茸・トマトの水煮など、そして各種漬物類で春まで食いつなぎます。 一般に夏野菜のぶら下がり派(実で食べるもの)は暑い夏に向く身体を冷やす作用のある野菜です。夏ばて対策には良いのです。そして根の野菜は身体を温める作用があるのです。ゴボウや人参・根菜の豊富に入った具だくさんのけんちん汁などは本当に芯から温まる食べ物です。 おせち料理にもたくさんの根菜類が使われていますが、その季節にとれるものを無理なく食べる事が身体にも自然な食生活です。それを旬と呼びます。 さあ、今の旬はゴボウ・人参・ゆり根や山芋ですね。おでんやスープで身体がほかほかになります。魚の旬・サケやタラと合わせて鍋にも根菜類はあいますから使ってみてください。 |
| 9 おせち料理は健康食(2006.1) もうすぐお正月、手作りの和食がいっぱいのおせち料理は、ヘルシーで日持ちもするし、目にもごちそうですね。 まめで暮らせるように黒豆、子孫繁栄に数の子、巻物の形で学問や文化を象徴する伊達巻など、言葉にしても食べても美味しいおせちは、作っているうちにお正月を迎える実感が湧いてきます。煮しめの飾り切り・梅人参や手綱こんにゃくはお子さんにも伝えたい文化です。一緒に楽しく作り日本食の魅力を伝承しましょう。残ったらちょっとリメイク、煮しめの具を刻んで混ぜご飯とか、伊達巻を1cm厚さに切り野菜あんかけをかけるとまた1品。 元旦にすべてそろわなくても年末から三が日まで毎日1品ずつ足していっても良いですね。がんばりすぎなくてもおせちはできますよ。 |
| 10. 私も消費者(2006.2) 牛乳とある程度の野菜類は自給していますが主食であるお米、小麦粉、そば粉などは買っています。また、卵、肉、魚類も消費する立場です。私はこのところの寒さで、できればうちの中にこもっていたい。でも、仕事であれば朝5時半に防寒着で牛舎へ出て、マイナス20℃の中、眉を凍らせながら外のバーンクリーナー(家畜排泄物を舎外へ排出するベルトコンベアー)の氷をたたきおとすのです。 一方、この時期美味しい魚がたくさんありますが、この漁のために海に出ている漁家の人を思うと頭が下がります。その魚がこんな値段で買えるなんて・・・・・と思って道内の水揚げ魚・貝類を選びます。お米にしても春の冷たい水の中での田植え(機械の入れないところも必ずあるのですよ)を思うとありがたく思います。そういう想像力が「いただきます」「ごちそうさま」の言葉の原点です。 |