市民文化情報の本棚

 
 心に残る一冊、思い出の一冊、おすすめの一冊、大好きな一冊・・・・
                                   あなたの一冊を紹介します。
 子どもに読んであげて・子どもの頃に読んで今でも大切にしている本。泣きながら読んだ本。
 大笑いした本。いろいろ学んだ本。あなたの一冊も必ずあるはずです。

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2005年9月号「山のまきばへ太りにいきます」   高橋 聡子

 絵本は私の中で子どもの頃の懐かしいものではありません。もうすぐ2歳になる娘と読む絵本があるからですが・・・・
もうひとつ、今でも家族との会話の中に絵本の一節が出てくるからです。
 山羊のがらがらどんは、やまのへまきばに太りに出かけていきます。私たち姉妹は、家を出てからしょっちゅう「山のまきばへ太りに行きます」と、週末実家へ行く事を母へ伝えます。
 母が読んでくれた本を、娘にも読んであげたいと思う今日この頃です。

2005年10月号「40歳からの飛躍力」    渡部美喜子

日本は世界でもまれに見るスピード高齢化社会から、高齢社会の突入しつつあるそうです。私にもあなたにも80才、90才、百才まで生きる人生が待っています。同じ生きるのなら、三浦敬三さんや日野原重明さんのように現役で健康に長生きしたいもの。
 著者によれば、40代からが本当の実力を発揮し、夢が叶いはじめる時期です。人生百年時代での40代はまだまだ若い!長い人生を充実して生きるためにオススメの一冊です。

2005年11月号「とんにはあおいりぼん のんにはあかいりぼん」中原京子

”こうさぎとんはとてもいたずら。こうさぎのんはとてものんびりやさん”の書き出しからはじまる絵本。 二人の息子が小学校に入る前くらいに読み聞かせていた絵本です。目をくりくりさせながら、よく笑い・よく泣き・よく動きまわる長男。その後をまねっこの様にくっついて歩く次男。次男を当時「とんちゃん」と呼んでいたこともあり、親子してお気に入りの一冊でした。
 遺伝だとか、環境だとか言うけれど、同じ親から産まれ、同じ家庭で育って、なぜこんなに性格が違うのか不思議?子育て中は叱ったり、なだめたり、励ましたり・・・・・試行錯誤の連続でした。そんな息子二人も成人し、間もなく社会人に・・・この本は表紙が見えるように本棚に飾ってあります。「いたずらっ子もよし、のんびりやさんもよし」と、今なら思えるようになってきたかな?

2005年12月号「神様ゲーム」 早織

大人は子どもを馬鹿にするネタを始終探し回っているように思える。例えば「最近の子どもは死の意味を理解していない」なんて統計をネタに喜んでいる大人がいる。子どもは馬鹿ではない。この情報社会では宗教的に医学的にゲーム的に、死にコンセンサスなど既に失われているのだ。
 いち早く表現できる子ども達の感覚は繊細、鋭敏で羨ましい。
 この本は、合体ロボや秘密基地や少年探偵ごっこにいそしむ昔懐かしい子ども達(子どもは既にそんな世界には生きていない。これは「大人の世界」だ)を、猫殺しや同級生の殺人事件そして神様の同級生とうリアルでバーチャルな「子どもの世界」に結び付けたミステリーだ。
 子どもを理解する教科書として読んでみてはいかがだろう。

2006年1月号 創作童話「ぷと」  久門 麻耶美

この頃「児童文学」なるものに手を染めている。同人の会を作って3年、10月に3号を出した。
いろんな趣味の会があるけれど、同じ感性の間でおしゃべりするのは楽しい。
PTAでもない、近所の井戸端会議でもない・・・・そんな集まりが楽しい。
自分の子どもの子育てはとっくに終わっているのに、子ども達に読んで聞かせることや、自分で書くこと等、まだまだ子どもに関わり、ある意味で私は子育ての感覚が終わっていないのかもしれない。60才近くになって、それもまた楽しい。
 自分の気持ちを他人にわかってもらうためには,話し、描き、撮り、奏でる。私はその中でやはり書く事で自分の気持ちを伝えたいとおもっている。
 どこかで「同人誌 ぷと」を目にされたら手にとってもらいたい。

2006年2月号 「モモちゃんねずみのくにへ」  森本 暁子

絵本を読んでもらって、心地よかった頃の本「モモちゃんねずみのくにへ」
わくわくするようなスリルがあって、夜中に家を抜け出したり、ジャングルジムを100回もまわったり、こうちゃんのために暗い中を頑張るモモちゃんがえらいなぁと感心しながら引き込まれて、暗記するほど読んでもらった記憶があります。絵も急に怖くなったり、明るくなったり、めくる時の楽しみで、ケーキのようなネズミのお城はどれって探したり、ネコのプーがネズミに立ち向かう場面で安心して「よかったね」で寝ました。
 今読んでも、すごく怖い話で、スリルとサスペンスに富んでいて、読み聞かせのことを意識して書かれた絵本のようにさえ思います。

2006年3月号 「永遠の出口」    茂木

誰にでもある子ども時代。その時の感性で、その時の悩みを解決する。それは、振り返ってみると、幼くくすぐったい記憶。主人公の紀子の小3んから高3までのエピソードがちりばめられているこの小説は、きらきらとした感性とゴツゴツしたエネルギーでできている。大人という未来を信じて。
 大人になった私は、大人になった紀子の言葉が好きだ。「誰もがものすごい燃料を蓄えていた」あの頃。「生きれば生きるほど人生は込み入って」子どもの頃に描いた「大人とは似ても似つかない自分」それでも未来はあるし生きてゆく。そして「あの青々とした時代をともにくぐり抜けたみんなが、元気で燃料を残して、たとえ尽きてもどこかで補充して、躓いても笑っていますように・・・」
 中高生にも手にとってほしいが、日々磨耗して燃料の尽きそうな大人にもおすすめの一冊である。

2006年4月号 「風と共に去りぬ」   花茶おばさん

 「明日がある、明日考えよう」「私にはタラがある」困難にぶつかった時、スカーレットが力強く言い聞かせる言葉が、社会に出てからの私の心の支えの言葉です。
 初めてこの本と出会ったのは、中学生の頃。あまりにも大作だったので読みきれないと思いながらも、夏休みの読書感想文という宿題も手伝って読んだ記憶があります。
 子どもの頃は、スカーレットよりもメラニーのような受動的な愛を育む女性が素敵に見えて惹かれていましたが、年を重ねるにつれ、困難な時代でも、また、他人がどんな目でみようと、何を言おうが虚装であれ、強い精神力で自尊心を失わず生き抜くスカーレットが魅力的な女性として映る様になりました。
 なかなか解決の糸口を見つけられない時や苦しい時に「私にも、明日がある。明日、考えよう」と思う私です。

2006年5月号 「だってだってのおばあさん」  山内 七重

 こんなおばあさんいいな〜それが絵本「だってだってのおばあさん」にでてくるおばあさん。
 99歳の誕生日にちょっとハプニング!ローソクが5本だけ。でも、次の日からおばあさんは「あら、そうね。私5歳だもの、なんでもできるわ」と、なるのです。
 ずいぶん前に出会った大好きな絵本の一冊。ちょっと元気がほしい時、私はこの本を開きます。そして、こんな風に年をとるのもいいなぁ〜とにんまりするのです。
 あとがきに
『この本をたくさんのおばあさんに贈りたいのです。だって、おばあさんは一番たくさん子どもの心をもっているんですもの』とあります。

10 2006年6月号 「撫子が斬る」女性作家捕物帳アンソロジー 渡部 皐月

 時代劇小説ファンの皆様、そして推理小説ファンの皆様!もう読まれましたか?この本!面白いです
15人の女性作家の捕物帳が勢揃い。いずれも力作ばかりですが、オススメは・・・宇江佐真理さんの「星の降る夜」ご存知、髪結い伊三次ものですが、今回伊三次は自分がお金を盗られてしまいます。そこで問われる伊三次自身の人間性、人間臭さがよい味を出している作品です。さらにオススメは、諸田玲子さんの「地獄の目利き」不器用で、ダサくて、チョンガーの同心弥佐衛門と、世事にたけ、人脈もあり頭がきれて女にもてる囚人瓢六。この二人の探偵役の対称と絡み合いと弥佐衛門の葛藤ぶりがもう絶妙なのです。『陰陽師』のようにシュールな世界もОKな貴方には、畠中恵さんの「茶巾たまご」がオススメです。使用人ばかりかこの世のものならぬ妖(あやかし))までも味方につけてしまう若旦那の病弱探偵ぶりをご覧ください。
 さて、この本の読みどころはまだまだあるのですが、あとは読んでのお楽しみといたしましょう。しかし、こうして紹介してみると、捕物帳って謎解きやトリックの意外性もさることながら、探偵役の魅力がすごく大きいんですよね。