各論目次

※ 本条は平成29年7月13日以降の事件には適用されません。

      4 集団強姦等罪(178条の2)

 (集団強姦等)

 178条の2 2人以上の者が現場において共同して第177条(強姦)または前条第2項(準強姦)の罪を犯したとき

               ↓

            4年以上の有期懲役

 集団強姦罪は,2人以上の者が現場において共同して強姦の罪を犯すものをいいます。

 集団準強姦罪は,2人以上の者が現場において共同して準強姦の罪を犯すものをいいます。

   ※ いわゆる「必要的共犯」です。

趣 旨

 本罪は,集団による強姦・準強姦については,より悪質であることから,国民の規範意識に即して重く処罰すべきであるという趣旨にもとづいて設けられたものです(平成16年改正)。

現 場

 「現場」とは,犯罪の実行の場所または社会通念上それと一体となっている場所をいいます。

共同して罪を犯した

 「共同して……罪を犯した」とは,共同正犯関係にある2人以上の者が,現場にいて強姦罪・準強姦罪を実行したという意味です。

 必ずしも2人以上の者が姦淫(性交)することは要しないとするのが通説です(大谷・川端・前田・佐久間・木村)。被害者に対する暴行・脅迫や見張り行為などが,姦淫行為と一体となって行われているとみられる場合には,本罪の成立を認めることができるとされます(大塚)。

   ※ 姦淫自体も2人以上の者によってなされたことが必要であるとする異説として松宮。

   ※ 「2人以上の者が,姦淫行為の間,終始,同時に現場にいる必要があるか」については争いがありますが,2人以上の者が順次現場に臨んで姦淫する場合も,実質的には「現場において共同して……犯」す場合にあたるとして,これを不要とする見解が多数のようです(大谷・前田参照)。

 なお,甲と乙が,A女の強姦を共謀し,甲だけが現場においてこれを実行したという場合は,集団強姦罪にはなりません(強姦罪(177条)の(共謀)共同正犯(60条)が成立しうるでしょう。)。

 これに対し,甲・乙・丙が,A女の強姦を共謀し,甲と乙が現場においてこれを実行したという場合は,上記3名が集団強姦罪の(共謀)共同正犯になるものと考えられます(大谷,なお同『刑法講義総論』(新版第3版)436頁参照)。

 

                                                                           未遂罪