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   第1款 職権濫用の罪(193条-196条)

意 義

 職権濫用の罪は,公務員が,その職権を濫用して,またはその職務を行うにあたり,違法な行為をすることを内容とする犯罪です。

犯罪類型

 刑法は,職権濫用の罪として,以下のものを規定しています。

  ① 公務員職権濫用罪(193条)  

  ② 特別公務員職権濫用罪(194条) 

  ③ 特別公務員暴行陵虐罪(195条) 

  ④ 特別公務員職権濫用等致死傷罪(196条) 

保護法益

 職権濫用の罪の保護法益は,第一次的には公務の適正な執行であり,第二次的には職権濫用の相手方となる個人の自由・権利であると考えられます。

 公務員は,公務を遂行するため国民に対し法律上・事実上の負担ないし不利益を生じさせる特別の権限が与えられており,それを不法に行使するときは,公務の適正を害するとともに,国民の利益を不当に侵害することにもなるからです(通説,なお林)。

 

                                                                    公務員職権濫用罪