各論目次

  第4節 支払用カード電磁的記録に関する罪(163条の2-163条の5)

立法の経緯

 現代においては,電磁的記録を構成要素とする支払用カード(クレジットカード・プリペイドカードなど)が,現金代用の支払手段としての社会的機能を有しています。

 他方で,電子機器を用いて電磁的記録の情報をひそかに取得し(スキミング),その複製品を作成して使用するなどの行為がされるようになりました。そのため,支払用カードシステムに対する社会的信用を揺るがしかねない問題となったわけです。

 ところが,従来,不正に作られたカードを所持する行為や,カード情報を取得する行為などは,刑法上処罰の対象とされていなかったため,支払用カードの真正に対する公共の信用を確保することが困難であるとの指摘がなされました。

 そこで,平成13年改正において,「第18章の2 支払用カード電磁的記録に関する罪」が追加されました。

犯罪類型

 「支払用カード電磁的記録に関する罪」として,次のものが規定されています。

   ① 支払用カード電磁的記録不正作出等罪(163条の2) 

   ② 不正電磁的記録カード所持罪(163条の3) 

   ③ 支払用カード電磁的記録不正作出準備罪(163条の4) 

   ④ 未遂罪(163条の5) 

保護法益

 「支払用カード電磁的記録に関する罪」の保護法益は,支払用カードを構成している電磁的記録の真正,ひいては支払用カードを用いて行う支払システムに対する公衆の信用です。

 

                                                               支払用カード電磁的記録不正作出罪