各論目次

 第2章 公共の信用に対する罪

総 説

 「公共の『信用』に対する罪」は,社会生活において取引の手段となっている「通貨」・「文書」・「有価証券」・「印章」の真正に対する公共の信用(「本物だ」という信頼)を害する犯罪です。

 「取引」とは,お互いに利益になるような交換条件で物事を処理することと定義されます。

 このような取引は,あらゆる人の社会生活に関係しています。その安全が害されれば,社会秩序を維持することは困難となります。

 この取引の安全を図るためには,「物を交換する媒介」や「事実の証明」のために取引の手段として制度化されている「通貨」・「文書」・「有価証券」・「印章」の真正を確保して,これらに対する信用を保護する必要があります。

 そこで,刑法は,公共の信用を保護法益とする各種「偽造罪」を規定しているわけです(大谷)。

種 類

 刑法(2編)は,「公共の信用に対する罪」として,以下のものを規定しています。

  ① 通貨偽造の罪(16章) 

  ② 文書偽造の罪(17章) 

  ③ 有価証券偽造の罪(18章) 

  ④ 支払用カード電磁的記録に関する罪(18章の2) 

  ⑤ 印章偽造の罪(19章) 

 

                                                                      通貨偽造の罪