各論目次

  第1節 通貨偽造の罪(148条~151条)

意 義

 「通貨偽造の罪」は,「物を交換する媒介」としての取引手段である「通貨」に対する公共の信用を害する犯罪です。

 本罪を処罰する最も重要な理由は,「通貨偽造を放任すると,一般の人に真貨に対する疑問を生じさせ,国の貨幣制度を危うくする」というところにあります。

保護法益

 通貨偽造の罪は,「通貨発行権者の発行権を保障することにより,通貨に対する社会の信用を確保しようとするもの」です(最判昭22・12・17)。

 すなわち,第一次的には「公共の信用」を,第二次的には「国の通貨発行権」を保護法益とするものであると考えられます(植松・大塚・西田)。

   ※ 近時は「公共の信用」にかぎるとする見解も有力です(平野・大谷・中森・川端・山口)。

類 型

 刑法は,通貨偽造の罪として,以下のものを規定しています。

  ① 通貨偽造罪(148条1項 )・偽造通貨行使等罪(同条2項 

  ② 外国通貨偽造罪(149条1項)・偽造外国通貨行使等罪(同条2項) 

  ③ 偽造通貨等収得罪(150条) 

  ④ (①~③の)未遂罪(151条) 

  ⑤ 収得後知情行使等罪(152条) 

  ⑥ 通貨偽造等準備罪(153条) 

 

                                                                        通貨偽造罪