各論目次

  第1節 あへん煙に関する罪(136条~141条)

 「あへん煙に関する罪」は,あへん煙の吸食(呼吸器または消化器によって使うこと)や,これを助長するおそれのある行為を内容とする犯罪です。

 あへんその他の常習的になりやすい薬物の施用を自由にすると,濫用されて中毒者を生み,国民の生活を頽廃させるばかりでなく,種々の害悪を生じさせる危険があります。

   ※ 薬物の種類によって差はありますが,①本人が,心身がむしばまれて悩まされること,②薬理作用の影響で異常な行動に走り,殺人等の凶暴な行為に及ぶこと,③薬物の購入に多額の資金を必要とするために,窃盗等の罪を犯すことなどが,あげられます。

 本罪もこれを防止しようとするものですが,今日においては,麻薬・覚せい剤の濫用が問題となっており,むしろ麻薬取締法・覚せい剤取締法・大麻取締法などの特別法が重要となっています。

    1 あへん煙輸入等罪(136条)

(あへん煙輸入等)

 136条 あへん煙を輸入し,製造し,販売し,又は販売の目的で所持した者 → 6月以上7年以下の懲役

   ※ 「あへん煙」とは,吸食用として製造された「あへん煙膏」(生あへんを溶解・煮沸するなどして加工したもの)をいいます。原料としての生あへん(けしの液汁を乾燥凝固したもの)は,あへん法で取り締まっています。

    2 あへん煙吸食器具輸入等罪(137条)

(あへん煙吸食器具輸入等)

 137条 あへん煙を吸食する器具を輸入し,製造し,販売し,又は販売の目的で所持した者 → 3月以上5年以下の懲役

    3 税関職員によるあへん煙輸入等罪(138条)

(税関職員によるあへん煙輸入等)

 138条 税関職員が,あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を輸入し,又はこれらの輸入を許したとき

        → 1年以上10年以下の懲役

    4 あへん煙吸食罪・あへん煙吸食場所提供罪(139条)

(あへん煙吸食及び場所提供)

 139条1項 あへん煙を吸食した者 → 3年以下の懲役に処する。

      2項 あへん煙の吸食のため建物又は室を提供して利益を図った者 → 6月以上7年以下の懲役

    5 あへん煙等所持罪(140条)

(あへん煙等所持)

 140条 あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を所持した者 → 1年以下の懲役

    6 未遂罪(141条)

(未遂罪)

 141条 この章の罪の未遂 → 罰する

 

                                                                    飲料水に関する罪