タウンメイトの再起動

 タウンメイトT80ED  前カゴ、ミラーは非ヤマハです

  平成の初めごろ、ちょっとだけ乗ってました。一応通勤用だったのですが、当時はこういうバイクを楽しむゆとりがなく、結局いつも一番調子のいいバイクに乗ってしまうのでにはほとんど乗らずじまいでした。 結局、XEなどなどの不動車コレクションの1台として、倉庫で長期保存(気が向いたらCRCシューシュー)してました。
 最近、倉の整理をし始めていて、この先乗ることにはならなそうなので処分リストに載せていました。たまたまこの春に晴れて中免小僧に昇格した息子Aが、TL50に換えてナゼかこれに乗ると言い出したので、当面この方にお世話してもらうことにしました。

 TX650にも同じように「エレクトリック」と書いてありました。「セル付き」のことですね。

 分解した部品に「88.」というスタンプがあったので、多分1988年製で、走行距離が4000キロと少しです。 ウチのバイクの中では名実ともに若手NO.1でした。

 車体のステッカーには「22K」と表記されているし、車体番号も22Kで始まります。が、ウェブで調べてみると22Kの電装は6Vらしいのですが現車は12Vです。もっと調べていくうちに、とても詳しくメイトの歴史をアップされているページに辿りつきました。
 「風呂酢楼 メイトの歴史と進化」
というページです。こちらを参考にさせていただくと、セルのついてるウチのは「タウンメイトT80ED 22M」のようです。今ならきっとEDなんて縁起の悪いコードは使わんでしょうね。時代の流れを感じます。それはともかく、「風呂酢楼」さんのメインコンテンツは「Bros」で、何やら近しいものをお感じ致します。

 乗り始めてみると、ガソリンキャップからガソリンが滲んできまして、いつもお世話になっておりますナンカイ部品京都東店で部品を発注してもらいました。

22Mで調べてもらうと、キャップの形が違います。ウチのは鍵がついているのに22Mにはありません。パーツカタログを遡って年式別に見てもらうと、22Mの次に87年に2MLというのが出ていました。キャップは鍵付きで、「88.」というスタンプともつじつまが合うので、ウチのは2MLで確定ということになりそうです。

 改めて乗ってみるとローギアは意外と力強く、引っ張ると2速で50キロ近く出ます。3速で+ウン10キロ、最高速のマイナス10キロくらいまで加速します。4速はオーバードライブで、エンジンの回転が下がって静かになる半面、加速はほとんど望めません。平坦な道でスロットルを開け続けるとジワジワとトップスピードが伸びていきます。信号のないストレートをそこそこのスピードで巡航するような状況が向いているようです。が、そうそうそんな状況はないし、車速が上がるとリアサスのダンピング不足が問題になってきます。大きなバイクだとなんともないような路面の凹凸にあおられっぱなしになって、キケンです。そういう領域からちょっと速度を落とすと、乗り心地は快適で、ハイギアードな減速比のメリットを楽しめます。
 街なかのゴーストップ連続になると、3速だけで事足りるので、4速が完全に余計です。止まる度に、トップからニュートラルへ送る動作を2度繰り返すような感じになります。
 やや不安を誘うのは、走行中でも4速からニュートラルへ入ってしまうこと。昔、改造モンキーでトップスピードからニュートラルへ入れてしまい、パニックでローギアに入れてしまったことがあってトラウマになってます(そのせいでモンキーはボツにしました)。

 気化器の状態が悪いのか、一旦スロットルを閉じてすぐに開け始めたときの挙動がもう一つです。閉めてから一息間をおけば問題ないのですが、すぐに開けると一旦軽くエンブレが掛かったような状態になって再加速してしまいます。開け始めの燃調が悪いようです。具合が悪いのはスロットルの開度の大小とはあまり関係なく、閉めてからのタイミング次第のような傾向があります。このことは、もともとの状態なのか、個体性の問題なのかはよく分かりません。

  カゴの前側のステイは付属の部品がぴったりでしたが、こちらはキャリアの丈が短く、ステイを追加して取り付けました。白い樹脂製のフェンダー脱着は、カゴの後の白いカバーをまず外すとやりやすいです。

  本当は荷台にハコをつけたらいいと思うのですが、ライダーに拒否され、コーナンお取り扱いの自転車用の前カゴ(1,500円くらい)を装備してお引き渡しさせていただきました。

各部の様子

 スイッチの表記は日本語で分かりやすい?です。どんな客層を想定されていたのでしょうか。

 キー穴に雨水よけでしょうか、フタがついています。留めネジがいかにも素人細工っぽいのですが、入手したときからこうなってました。標準なのか、前のオーナーのカスタムなのかは?です。

 最高速はメーターmaxの8割くらいです。燃料計は割と正確なようです。

 なぜかセルボタンだけは英語です。とても快調で一発始動です。キックスターターもついています。

ステアリングロックは日英併記です。とても奥まったところにあって、乗ったままでは操作できません。息子Aには「掛けたまま走りだすとえらいことになるよ」とは言ってあるのですが。

  ミラーはヤマハではありません。

 ブレーキレバーは標準的な位置にあって、フツーに使えます(私が世界的名車ホンダのカブさんの好きになれないところNO.1は、なぜかすごく下を向いてるブレーキレバーです)。

 ピストンバルブの気化器です。スロットルバルブはリンクで引くようになっています。フレームと干渉するのを避けるため、高さを抑える方策のようです。

 20年近く置いてあったので大掃除を覚悟していたのですが、なぜか、この気化器とガソリンタンクの中に残っていたガソリンは、見た目はちょっと色の濃いガソリンそのものでした。さすがに臭いはガソリン特有の刺激臭が薄くて、おそらく揮発成分は全部抜けているのでしょうが、お定まりのタール状の生成物はまったくありませんでした。おかげでサクサクできあがりました。

 この気化器に限ったことではないですが、アイドルスクリューのスプリングは端面が尖がっていて、回すとギシギシします。オイルストンでエッジを落としました。

 2枚上の写真に写っている、黒いパイプはステアリングカバーの下まで伸びていて、こんな末端になっています。白いプラの部品が弁のような気がするのですが、引っ張っても抜けないので?のままです。

 左側のカバーには、ルーバー状の部品の真下2センチくらいに気化器のドレインプラグにアクセスできるように?穴が開いています。ルーバー状のカバーは脱着がカンタンです。

 

 なかなか格好のいいエンジンです。右端に見えている太いアース端子は、IGコイルとフレームを接続しています。アーシングのハシリなんでしょうか。

 エンジンオイル量は850ccです。XJに入れた残りのアッシュのPSEを入れてみました。

 IGプラグはC7HAが付いていました。

 ご覧のとおり加速ポンプ付きです。困ったことに、ポンプのラムについているラバーブーツが硬化して割れてしまい、ガソリンがにじんでいます。部品を調べたらラム棒とアッシー設定で2千円以上しています。う〜ん(悩み中)。手持ちのOリングとかでなんとかならんもんかいな?

 結局厚塗りのできる液体パッキンで根っこのところ巻いてみました。とりあえずガソリンはとまって、ラムは上下にピコピコ動くので当面これで様子を見ることにしました。

 こういうバイクはあまりさわったことがなくてとても勉強になったのがこのあたりの作りでした。写真はステアリングヘッドのあたりで、左側がフレーム、右側がフォークの上端です。フォークは、金色の金物とその上の黒い金物でハンドル系と接合されています。金色と黒色の金物はゴム板を介してステアリングステムとボルト2本で締結されています。

 動かしてみるとステアリングステムベアリングが硬かったので、グリスを足すために分解するハメになりました。すごく手が掛かります。なんでこんなに手の掛かる(組み立てるのに時間の掛かる)構造なんでしょうかね。このバイクはできればステムベアリングを交換するのは勘弁してほしい、という気持ちを込めてヤマハグリスBをたくさん入れました。

 結構ブレーキが大きくてカッコいいです。2.25−17のタイヤはコーナンお取り扱いのCHENSHINブランドで1,500円くらいでした。指定圧は1.5キロです。チューブも変えたかったのですが、売っていなくて22年モノを再使用しました。

 鉄リムの裏側は結構ひどく錆びているところもあり、めったに使うことのない鉄のワイヤブラシが活躍しましたが、また錆びるだろうな。そういうこともあって本当はリムバンドも新調したかったのですが、こっちもこびりついた錆をやすりなどでこそげ落として再使用してしまいました。後よりも細いリムになっています。スズキさんとかに比べるとヤマハのリムは細めでちょっと?でしたが、考えようによっては軽いホイールをというコンセプトなのかもしれません。チューブも後よりワンサイズ細いのが入っていました。

 タウンメイトならではのシャフトドライブです。潤滑がどうなっているのか、気になるのですがそれらしいところは分かりません。今のところ軽くクルクル動いているのでしばらく様子見です。後輪のアクスルシャフトは反対側まで貫通していて、アクスルナットを外すと手前側へ抜けてきます。錆もあまりなくて程度はよかったです。

 タイヤは2.50−17で、こちらはダンロップ製でした。3,000円くらい?でした。回転が早いのか、コーナンさんのタイヤはなかなか新鮮でした。
 交換してからですが、車体のシールをよく見ると「6PR」が指定になってました。…付いてるのは4PRです(後のまつりモード)。

指定空気圧は一人乗りで2.0キロ、2人乗りで2.8キロ(ちょっと驚き)です。メインスタンドは踏めるところがなくて、右腕だけで車体を引き上げる格好になり結構重いです。

 細身ですっきりした作りで見た目は◎です。が、ダンピング作用は皆無のような気がしています。

 左サイドカバーの中には電装系が収まっています。整流整圧回路は立派な放熱器つきですが、サイドカバーのせいであまり風は当たらないと思うので、長時間走り続けると熱を持たないか、ちょっと心配ではあります。反面IGナイタは安定環境でいいと思うのですが。工具はなかなか立派です。

 バッテリーは右側にあります。白いプラのカバーをかぶせるようになっていますが、このカバーには左に見えるアース端子の逃げの切り込みがつくってあったり、丁寧な作りです。もとは普通のバッテリーでしたが、SRXにも使っているスクーター用のがぴったりフィットします。1個1,000円のSUPER NATTOというブランドのを通販で買ってあったのを使いましたが、名前のとおり粘り強く働いてほしいものです。写真には写っていませんが、サイドカバーのうらに書類入れがついています。

 燃料タップは自動式です。メーターがついているせいか、RESのポジションがありません。通常走行はこの位置で、レバーを水平にするとPRIです。

 乗ったり降りたり、普通に使っているとキャリアに隠れて見えませんが、こうしてみるとガソリンタンクからテールライトへかけての造形は2ストのVメイトに通じるものがあります。シックなカラーリングがいいねと思うのは古ヤマハに洗脳されてしまったでしょうかね。

 消音器はものすごくメッキがきれいです。プラメッキのウインカーボディもですが、ポリメイトで湿らせたボンスターでスリスリしてキレイにしました。

 とても立派なキャリアです。メンスタンドを掛けるときにはシートの後の立ち上がり部分を持ってになります。

  前キャリアも純正です。

● トラブル編

 ということであっという間に走れるようになってご近所をクルクルしてたら、一時停止でエンストしがちになってきました。

 エンジンをかけるとすぐに再始動し、加速中はいいけどスロットルを戻すと不安定になります。念のためにガソリンタンクのフタ、燃料タップのボウル、とチェックしてみましたが怪しいモノは出てきませんでしたので、きっとスロー系に違いないということでさっさとキャブを外すと、劣化したフィルターのカスがエアブリードの穴のあたりにこんもりついてました。

 昔の記憶で、このバイクは乾式フィルターで一度部品を交換したものとと思い込んでいたのであえてエレメントは触らなったのですが大間違いでした。このせいで結局もう一度気化器を掃除するハメになりました。この手の薄いスポンジは古くなると必ずダメになりますね。

 洗ったら出るわ出るわ状態でした。

 ということで快調になったのですが、改めて見てみるとエアクリーナーボックスと前フォークについているステアリングロックとのクリアランスは2,3ミリしかなく、ちょっとびっくりしました。

 末永く息子Aを助けて走り回ってほしいものです(事故などしませんように)。

 グリップマンをスプレイして完成にしました。

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