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日本の陰謀259
後出しジャンケンは卑怯だ
Tech-On! 2011/04/18


「ったくもう、何てェヤツだ、あの役員は! いつも後出しジャンケンばかりじゃあねえか!」。部長がえらい剣幕ですヨ。どうも、またあの役員とやっちまったようですナ。 「どうしたィ、役員にまた何か言われたのかァ?」。聞けば、部長が怒るのも分かりますワナ。アタシも大嫌いな、後出しジャンケンなんですヨ。

 事の成り行きです。

 以前から進めていた新しい開発案件。部長にとっては、今までの集大成とも言える、大型開発です。従来技術を凌駕するのは勿論、新素材が登場したのを受けて、真っ先にその素材を活用しての開発です。分かりやすく言えば、従来製品の性能を、飛躍的に、いや、数十倍の性能にするような開発なんですナ。

 …ところが、その肝心な新素材、言うところのレアメタルなんですが、急に、常識では考えられないように値上がりしたのです。産出国の戦略でしょうか、輸出も絞り込むようになって、何と、価格が数倍から十倍に跳ね上がってしまったのですヨ。

 なので、残念ながら、この開発は新素材を使う前提では、どんなにコストダウンを図っても、どうしようもなく高価格になってしまい、開発の中断も含めて、見直す事になったということですワナ。新素材が全くの想定外の理由で法外な価格になってしまったのですから、まさに晴天の霹靂、事故に遭ったようなもんですヨ。

 「ええっ、次郎さん、しようがねえだろう、そんな事、誰も予想しなかったし、開発がスタートした時は、みんな、イイって言ったじゃねェか! あの役員もだぜェ! それを、事もあろうに、『僕は、新素材のコストは必ず上がる、そう予想していたんだ。あの時は皆が盛り上がっているので言わなかったが、冷静に考えれば判ること。今思えば、あの時に言えばよかったなあ』って、シャアシャアとぬかしやがる! ええっ、次郎さんよォ、一体、こんな後出しジャンケンみたいな事、許せるかア!」。

 いやいや、部長がキレるのも分かりますワナ。ハナから分かっているのなら、その時に言えばいいじゃありませんか。逆に、言わなかったんですから、今さら言ったところで栓無い事、むしろ、言わぬが花てェ事ですヨ。

 「大体、あの役員が役員になったてェのも後出しジャンケン戦法じゃないか。最初は自分の意見なんざァ、これっぽちも言わないで、大勢(たいせい)が見えて来てから、いかにも自分の意見が正しかったかのように平気で言う。そして、ここが一番頭に来るところだが、何故、最初に言わなかったかという理由を、『皆が盛り上がっていて、そこで言うと水を差すようになってしまう』って言うのサ。いくらなんでもそりゃあないだろう、それじゃあ、後出しジャンケンして勝って、ジャンケンの相手が先に出すのが早すぎると、相手のセイしているのと同じだろうよ。冗談じゃあねェ! そういうのを、卑怯者って言うんだよォ!」。

 やれやれ、部長の雄叫びは収まりません、確かに、正々堂々ではありませんワナァ。

 …考えてみると、卑怯な後出しジャンケン、よくある話ですヨ。

 開発の世界での後出しジャンケン、山ほどあるんじゃないですかネ。ライバル企業が先行して開発した商品を真っ先に買い求め、原形をとどめないくらいにバラして研究する。それはそれで必要なことですが、見えないところを、そっくりそのまま丸々真似てしまうなんてェ事、よくある話です。一旦組み込んだらバラさない限り見えない部品でよくやる手ですが、これも後出しジャンケン、しかも相手のジャンケンを見て、こちらの手を見せないんですから、卑怯というより、陰湿ですワナ。

 だから、知財を取得する。確かに、それはその通りで、そのようなことをさせないように知的財産権を確保するてェ事は大事です。でも、後出しジャンケンを国をあげて容認しているてェ話もあるくらいで、困ったもんですヨ。モラールの問題ですかねェ。

 開発の後出しジャンケンは、元々、ジャンケンに勝てないシト、この場合で言うと、自分の開発力に自信が無いシトが真似するのであって、自信が付けば、正々堂々とジャンケンするようになると思うのですヨ。まあ、それまでは辛抱するしかありませんワナ。

 「次郎さん、政治の世界も、最近は後出しジャンケンが多いよナァ。相手のエラーを待つかのように黙っていて、エラーした途端に“そら見た事か”てェ言う政治家の多い事、多いこと。見ていて吐き気がするぜェ。最初から分かっているなら、堂々と言えばいいものを、後になって批判する、それが当たり前のようになっているじゃあねえか。もっとあるぜェ、一旦“辞めます”って言いながら、また出馬するって話。冗談じゃあねえぜ、あれって何なんだろう? 辞めると言っておいて、周りの反応を見ながらまた出るって言うのは、後出しジャンケンなんざァすっ飛ばして、後出しケンケンじゃねェか?」。

 う~ん、後出しケンケン、部長も上手いことを言いますナァ。遊びの世界で、片足跳びをしながら、足を、描いたところに納めるのがケンケンですから、例えとしては分かります。確かに変ですナァ、後出しケンケン、そんなに政治家でいたいのでしょうか。政治家の責任、と言うか誇りはどこに行っちまったんでしょうかねェ。

 そこにお局の乱入です。「政治家もそうだけど、最近の評論家も後出しジャンケン、オンパレードよ。大震災で被害を受けた、電力設備やインフラ施設について語る時、“自分はこのような事態を予想していた。想定の地震規模を低く見積もっているからこうなる”なんて、よくもシャアシャアと言えるわねェ。第一、これほどの大震災、何百年に一回あるか無いかじゃない。誰も経験していない大地震、それを予想するなんて、誰にもできないのだから、責任を追及するなんて、酷(こく)というより、言ってはいけない事。とにかく、これからどうするか、それが大事なのよォ。それなのに、過去を振り返って文句ばかり言うなんて、最低! あの人たち、後出しジャンケンの元祖みたい!」。

 なるほど、後出しジャンケンの元祖とはネ、上手い事を言いますヨ。でも、これは大事な話ですゾ。これからの復興に向けて、批判するより、アイデアを出さなくちゃいけませんヤネ。起きてしまったことは仕方の無い話、前向きに行きましょうヤ。

 そんなこんなで赤提灯。今夜は後出しジャンケンが肴です。

 …今まで言わなかったのですが…、「いやあ、アタシも後出しジャンケンで負けたことがあるんだ。今日の部長ほどの話じゃあないけど、嫌な思いをしたものサ。今から、20年くらい前かなあ、開発していて、どうも上手く行かなかった案件があって、相談にいった上司のことヨ。そのシトは悪気があった訳じゃあないと思うんだがネ。その時は、私の相談事については分からないと言って、何のアドバイスも貰えなかったんだ。しかし、後になってアタシがそれを解決すると、“佐々木君、いやァよくやったねえ。実は僕もその方法がいいと思って、キミに言おうとしていたところだったんだ。よかったよかった”って、みえみえの後出しジャンケンをくらってなあ。それまでは頼りになると思っていたイイ上司、でもヨ、それ以来、アタシは絶対に相談なんかするもんか、そう思ったんだ」。思い出したくもありませんが、後出しジャンケンてェのは、人間関係もおかしくしてしまうのですヨ。

 聞いたアスパラが、「次郎さん、そんなことがあったんですか。でも、そんなことされて、次郎さんは、リベンジする気は無かったのですか?」って、変な質問です。

 「リベンジって、復讐のことかィ? ははは、バカなことを言うんじゃないよ。そんな事をしたら、同じ穴の狢(むじな)じゃないか。後出しジャンケンに腹を立てて、同じように後出しジャンケンをしてしまったら、後出しジャンケン仲間になっちまう。そんな、卑怯者の仲間入り、したい訳ァ無いだろう!」。

 それを聞いたお局も「そうよ、後出しジャンケンされたら、その人とは金輪際付き合わないことネ。それでお終い。アスパラも、いつか、後出しジャンケンされて悔しい思いをするかもしれないけど、そうなったら、それでお終い、一切その人とは付き合わなければいいだけの事よ。ルールを守らない人は、何をやってもインチキするのよォ!」。さすがお局、そうですよ、後出しジャンケンはルールを守らないてェ事ですヨ。

 部長も、「おうよ、後出しジャンケンはルールの問題なんだ。ジャンケンは同時に出すのがルール。そこが本質てェもんヨ。それを、相手のジャンケンを見てから出すなんて、スポーツで言えば、ドーピングよりタチが悪いぜェ」。

 ドーピングよりも悪い、確かにそうですナァ。ドーピングも不正行為ですが、少なくともスタートラインは一緒ですワナ。 

 欧陽春くんも、「さっきの知財の話もそうですが、やはり、正々堂々、先ずは自分が先にアイデアを出し、そして、ちゃんと権利化するのが大事なんですね。そういう意味で言うと、僕たちの中国も、新しい技術やアイデアの中国流、世界に先駆けて発信するようにしたいです」。

 さてさて、呑むほどに酔う程に…、最後にアスパラが、「今夜はジャンケンの話でしたから、ここのお勘定、ジャンケンで決めようではありませんか。勿論、負けた人が全部払うってことですよ、いいですか、じゃあ、アイケン・グー、ジャンケン…」。

 …ところが、みんな構えたまま、出さないのです。  …これじゃあ、“後でも出さないジャンケン”ですぅ…  ■■■


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