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ヒトがなんとか通れる程度の穴を作ると、
服が汚れてしまうと文句を言いながら、4人とも出てきた。
救出は成功だった。


「キャストの二人は?」

「あんな役立たずは知らん!!
 それよりトロッコはないのか!?
 地上まで歩かせる気か!?
 バカどもが!! 臭い! 近寄るな!!」

怒鳴り散らしながら、地上の方へと歩いて行く。
バーニィには、その背中が哀れに見えた。

「まだ二人残っている。中へ入って探そう。」

異を唱える者はおらず、
引き続き道を作る班と、キャストの二人を捜索する班とに分かれた。



キャストは二人ともすぐに見つかった。
二人とも大岩の下敷きになっており、身動きが取れない状態だった。

1人は足が挟まった程度だったが、
もう1人は下半身が丸々潰されている。

「大丈夫か?」というバーニィの問いかけに、

「これが大丈夫という状態に見えるのか?
 ビーストの評価を下方修正せねばならんようだな。」

という冷淡な返事が返ってきた。

「それだけ言えれば大丈夫だな。安心した。」

バーニィもやり返す。

「先に行った4人は無事か?」

「全員無事だ。」

「そうか。」

「岩をどかす。少し我慢してくれ。」

バーニィはあとからやってきた数名と協力し、
大岩を何とか動かし、2人を救出した。

1人は右足を失い、
1人は右腕と両足が機能しなくなっていた。

だが、キャストである彼等は、パーツを取り替えることで
元の状態に戻ることが出来る。
当然、痛みはあるが、それは切り離すことで逃れることも可能だ。


 二人のキャストを連れて地上に戻ると、輸送船が発進する瞬間だった。
ただ愕然とバーニィを尻目にキャストの1人は冷静に言い放つ。

「あの状況で、我々が生き残っている可能性は数%しかない。
 当然の結果だな。」

自分自身のことを、他人事のように、
まるで遠い昔に起こった事件のように言うキャストたち。
バーニィはそんな彼らを好きにはなれなかった。

バーニィだけでなく、『絆』を大事にするビーストにとって、
合理的ではあるが冷淡なキャストの物言いは腹に据えかねるものがある。


 たしかにそうだけど・・・

という言葉が、キャストたちにはないのだ。


 辺境の採掘場には、キャストの修理ができるような設備はない。
一番近い施設のあるダグオラシティなのだが、
採掘場にある旧式のフローダーでは何日も掛かってしまう。
2人のキャストは、2日後に再び輸送船がやってくるまで
この状態のままというわけだ。

坑道の入口すぐのところにある、
坑夫やその家族たちの居住スペースへと2人を運ぶ。
その間、2人のキャストは一言も言葉を発しなかった。


「キャストのあんたらには居心地が悪いだろうが、
 勘弁してくれ。」

バーニィは2人を自分の家へと運んだ。

「期待はしていない。野晒しよりはマシだ。」

ベッドは木製で手作り。
軟らかいマットなどはない。

椅子も木製。
こちらもクッションなどはない。

1人をベッドに寝かせ、もう1人は椅子に座った。

バーニィは何をどうしていいのか分からない。
キャストとはいえ、手足が潰されて平気なわけがない。

「応急処置をしたい。」

右足の無いキャストはそれだけを発した。

「分かった。何を用意したらいい? 探してみる。」

「こんなところにある確率は低いが。」

そう前置きして、次々と工具の名前を列挙していった。

バーニィはすべてを走り書きし、
部屋を出る前に2人を振り返った。

「名前を教えてくれ。」




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