* 7 *


 その日のうちに、採掘機のフォトンリアクターを掘り起こし、
バッセに外部接続を施した。
採掘機本体からの取り外しが困難だったため、
バッセを坑道まで運び、接続を行った。

アーツの計算によれば、再び落盤が起きる可能性は0.04%だという。
99.96%の確率で落盤は発生せず、
エネルギーリバースの発生も2%以下で、
通常の外部接続と0.6%ほどしか変わりないとのことだった。

リアクター接続後、十分な動力を確保したあとに、
バッセは休止モードから通常モードへと復帰した。

そして再び輸送船がやってきた際に、2人ともパルムへと運ばれていった。
完璧な処置を施されて、今頃は元通りの姿になっていることだろう。

その日は運営会社の者が落盤状況を調査するだけで、
採掘作業の再開命令は出なかった。
坑夫たちは、どこからか調達してきた酒を呑み、
それぞれが束の間の休息を満喫していた。


 さらに2日後、再び輸送船がやってきた。
バーニィを含め、坑夫一同が並び出迎える。

だが、輸送船は採掘場及び、坑道入口から一定の距離を置いたところで停船し、
降りる気配も近寄る気配も無い。
いつもは1隻の輸送船が、今日は3隻。
まだ距離があるためか、少し小さく見える。

一番右の1隻がチカリと光った。



!!!!!!!!!!!!!!!


轟音とともに訪れる振動。

艦船による砲撃。

思いもよらぬ事態に、全員がパニックに陥る。
成すすべなく逃げ惑う坑夫たち。
その家族たち。

突如現れた地上戦車『ストライカー』。
戦闘用フローダー。

その無慈悲な攻撃は、次々と坑夫たちに襲い掛かった。



 逃げるしかない!!

 どこへ?



それでもバーニィは叫ぶ。

逃げろ! と。

そう叫ぶしかなかった。


皆、坑道の中へ逃げ込む。

武器も無ければ、バリケートもない。

逃げ場もない坑道の中へ。

突如現れた正体不明の軍団は、坑道の中までは追って来なかった。
バーニィは、今になって気がつく。
坑道の中に追い込むのが狙いだったのだと。

全員を坑道の中に入れる。その次は・・・。

恐ろしい考えが脳裏に浮かぶ。


運営会社の結論。


― 採掘場の放棄。



新たな採掘機を用意するよりも放棄した方が得だという判断。

競争相手である他の会社に再利用されないように、

この採掘場を、この坑道を、埋める。

坑夫諸共、そのすべてを埋めて、証拠隠滅を図る。



バーニィは後を振り返った。
皆、小さくうずくまって震えている。
この場は、言いようのない恐怖に支配されてしまっている。

立ち向かおうにも武器もない。

閉じ込めていた怒りが爆発する。


バーニィは1人駆け出す。

坑道の入口へと。


外へでると、ストライカーの砲口がすぐにバーニィを捉えた。

バーニィは真っ直ぐ走り続け、フォトン砲弾の下を潜りかわす。

すぐに数台のフローダーが駆けつけ、バーニィに向け銃撃を行った。


「お前等は!! オレたちビーストをなんだと思っているんだ!!」


赤い閃光がバーニィを包む。
ナノブラストと呼ばれる、ビースト特有の能力。

赤い獣の姿に変身したバーニィは、
フローダーを蹴散らし、
ストライカーをも破壊した。

相手の虚を付いたこともあるが、
ナノブラストはそれだけの戦闘力をもっている。

破壊されたストライカーから黒煙があがる。

上空に待機していた艦船が異常を察知し、
増援を送り込んでくるまでには時間がない。

一刻も早く皆を坑道から外に逃がさなければならない。

坑道の入口を振り返った瞬間、
バーニィの頭上を一筋の巨大な光が通り過ぎた。


それは、寸分違わずに坑道に直撃する。


 遅かった・・・!!
 間に合わなかった!!

フォトン砲撃による爆風と光に揉まれ、
バーニィは意識を失った。




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