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* 11 * 奮戦も虚しく、バーニィは生け捕りにされた。 バーニィを除くすべての者は坑道内でその命を落とした。 バーニィを待っていたのは激しい拷問。 サテライトベルトにある本拠地の座標を吐かせるためだ。 サテライトベルトは常に回っている。 その速度は惑星の自転と同じではない。 地上からも動いている様子は確認できる。 本拠地への帰還は、暗号化した座標情報をバニー号が受信し それを解読した後に行われている。 キャストならまだしも、 生身のビーストであるバーニィが言えるはずもなかった。 言えたとしても、バーニィは口を割らなかっただろう。 バーニィを捕まえたヒューマンたちは、 一網打尽にするための罠として、 公開処刑を行うことにした。 助けに来たところを捕まえようという見え見えの罠だ。 公開処刑の情報は、サテライトベルトに戻ったアーツにも届いた。 「間違いなく、罠だ。」 アーツは数値を言わず、罠だと断言した。 『確率や可能性なんて問題じゃない。』 バーニィの言葉が繰り返し思い浮かぶ。 ― 救出に向かう。 それがバーニィの望むことではなかったとしても、 救出できる確率が限りなくゼロであったとしても、だ。 バニー号は、バーニィの処刑が行われるダグオラシティへ向けて発進した。 * 処刑当日の朝、バーニィは両腕を後ろ手に縛られ、足枷をはめられた状態で 用意された処刑台の上に運ばれた。 ヒューマン、ニューマン、キャスト、ビースト。 数多くの見物人が集まっている、 また、この様子はグラールの全星域に生中継されている。 ヒューマンに反抗する勢力に対する見せしめとするためだ。 1人のヒューマンが、声高に演説を始めた。 「よく見るがいい!! これが我々ヒューマンに盾突いた愚か者の姿だ! この哀れな姿を見ろ!! 汚く、臭い! 大人しく従っていれば、こうはならないのだ!! それは約束しよう! 我々ヒューマンに従えば、このような無様な姿にはならない!! このような仕打ちは、我々もしたくはないのだ! だが、このビーストは世を騒がせた! この男が我々が共に汗水を流して得た物資を奪い続けたために、 過剰な労働を強いるしかなかったのだ!」 そこまで言うと、ヒューマンの男は バーニィに近寄った。 そうして耳元に口を近づけると、こう言った。 「いまここで、我々に忠誠を誓うと宣言するのならば、 命だけは助けてやろう。 貴様を助けに来た仲間たちの命も、な。」 ― 嘘をつけ この男にそんな考えは更々ない。 ただ、群衆の前でヒューマンの絶対的優位を見せ付けたいだけだ。 反抗することが愚かしいと、無駄なことだと植えつけさせたいだけだ。 だがバーニィは、これは最後のチャンスだと思った。 自分の考えを、モトゥブに住む人々に知ってもらうために。 バーニィは力なくうなづく。 ヒューマンの男は満足気に笑うと、 再び群集を向き直った。 「だが!! 我々ヒューマンは寛大だ!! この男が、いまここで、自らの罪を認め謝罪し、 我々に許しを乞うというのならば、 我々はこの男を許そう!!」 どよどよと、群集にざわめきが走る。 各所に配置されたヒューマンたちが拍手をするが、 その音はまばらだ。 ヒューマンの男は、それが気に入らなかったのか、一瞬顔を歪めた。 そして、バーニィを立たせるように命令し、 自分は脇へとほんの少し移動する。 「モトゥブの人々よ!! 聞いてくれ!!」 バーニィの最初で最後の演説が始まった。 |