武田光弘 第4回個展  〜僕のいた時間 (W)〜 
   

     ごあいさつ         *個展会場に掲出したもの

 早いものでパリに行き始めてから6年目となりました。〜僕のいた時間〜というタイトルでは3回目、通算で4回目の個展です。絵は自画像だと思っている私ですが、上手いとか下手とかは別にして、絵は少しずつ変化して行くように思います。テーマとか、描き方とか画材などにも新しい興味がわいてきます。今回出品した絵の中にもこれまで描かなかったテーマの絵が何点かあります。また、いろいろご意見があるかもしれませんがいわゆる模写作品も1点あります。

 ギュスターブ・カイユボットの”VUE DE TOITS”は、昔、オルセーではじめて見た時から、唯一いつか描きたいと思っていた絵です。模写を出品するのは、個展には馴染まないかもしれませんがお許し下さい。この絵は、私にはパリの冬そのものですごく実感があります。描いていて模写をするというよりは現実に写生をしている感じでした。
もうひとつ「静物」のことですが、これまで静物を描くことにはそれほど興味がありませんでした。ところが、去年たまたま日展の塗師祥一郎先生にお教えを頂く機会があり、そのことがきっかけで描いてみたのがこの作品です。銅製の薬缶はスエーデンの、そして野菜は北海道の姉が送ってくれたものです。

塗師先生は去年パリで亡くなった山本平さんの金沢美大の先輩でいらっしやるご縁でした。師で兄のようだった山本さんと塗師先生に心から感謝しております。
どこへも出品せず、属さず、ただ無心に描くと言ってきましたが、じつは無心に描くことほど難しいとはありません。肩書きも不要ですが、それでもどうかすると「いいご趣味で」などと言われると「趣味ではありません」などとつい思ってしまいます。絵がおもしろくないなどといわれて傷ついたりもします。

尊敬する野見山暁治先生から「絵を生業にすると功名心が出てよくありません。絵は余生で描くのが一番です」と言われたことをつい忘れて、あせっている自分が居ます。先生はまたある時パリのカフェで「絵は説明と本質のせめぎ合いです」とおっしやいましたが、私はきっといつまでも”説明と本質の間“をうろうろとさ迷い続けていくに違いありません。 お出でを賜り有難うございました。
心よりお礼申し上げます。                               
                              武田光弘

 
 

  
    
会場でのスナップ
 


  静物   油彩 キャンバス 72.7X50cm
 

 春の雨(パリ/セーヌ)   
         油彩 キャンバス 60.6X50cm

 モンマルトルの坂道(パリ)  油彩 キャンバス 72.7X50cm
 

雨上がりの広場(ブザンソン)  油彩 キャンバス 45.5X38cm

 夜のサーカス(パリ) 油彩 キャンバス 45.5X38cm

 早春のストラスブール(アルザス) 
           油彩 キャンバス 80.3X65.2cm

 ムフタール通り暮色(パリ)  油彩 キャンパス 53X41cm
 

  雨が上がって(パリ/サン・ジェルマン・デ・プレ)
             
油彩 キャンバス 53X45.5cm

  クィリナーレの丘から(ローマ) 油彩キャンバス 33.3X24.2cm

 五月のノートルダム(パリ)  
               油彩 キャンバス 91X72.7cm 

       日の名残(パリ/セーヌ)  油彩 キャンバス 116.7X91cm                            エトランジェ(U)
     
 

   空へ(ベネツィア)  油彩 キャンバス 116.7X91cm
1