
ドイツ連邦軍で使用されている戦車運搬車である。各種タイプがあるようだがこのTRUMPETERのキットはSLT-56というタイプ。ファウンのタンクトランスポーターというと「エレファント」という名前が有名だが、どうもこのキットはエレファントではなく「フランチェスカ」という名前をもらっているようだ。タンクトランスポーターといえば、米軍のドラゴンワゴンが有名で、35分の1キットでは、1970年代にMAXから、1990年代になってTAMIYAから発売されている。また、TAMIYAからは18トンハーフトラックを牽引車として使用する戦車運搬車がすでに発売されている。タンクトランスポーターは、基本的には装輪のソフトスキン車両がベースになっているので、サスペンションやワイヤー、各種配線などがいろいろ施されていて、外観が非常に複雑である。プラモデルでこれを再現すると、どうしても部品点数が多くなるし、戦車を載せて運ぶものなのでのづと大型のキットになる。ようするに、非常に作るのがたいへんな「大作キット」になってしまうわけだ。価格も戦車や普通のトラックキットなどと比べて、かなり高いのが普通。TAMIYAのDRAGONワゴンは9800円、18トン重ハーフトラック戦車運搬車は11000円、ということで、上に載せる戦車の約3倍の価格になっている。35分の1のインジェクションキットとしては最高レベルの価格だ。また、とにかく長いので置き場にも困るという問題もある。ということで、この手の車両を購入するのをためらっていたのだが、TRUMPETERから風変わりな角ばったデザインの「ファウン SLT-56タンクトランスポーター」が発売されたので、とにかく挑戦してみることにした。購入のギリギリまでTAMIYAのドラゴンワゴンにしようかと悩んだが、完成品をほとんで目にしないこのキットを選んだ。 ■キットの内容 普通の戦車キットの3倍の容積があろうかという大きな箱に入っている。中にはランナーがぎっしり詰まっている。また箱に中仕切りがあって、小さく仕切られたスペースには小箱が入っており、この小箱には、エッチングパーツ、タコ紐、エナメル線、パイプ、タイヤなどが入っていた。これで7800円とはお買い得だ。 ■製作の実際 1、基本的に素組みで行くことにした インストは36ページもある小冊子。非常に品質の高い印刷物だ。全体をざっと眺めてみた。車体のエンジン周りと車体後部にたくさんのパイピングがあるが、パイプ接続の開始位置と終了位置があいまいでよくわからなかった。車体の上側に露出するパイプのみを説明してあるようで、車体の下は省略されている。きっちり作るには何かの資料を見る必要があるわけだが、どうせ見えない部分だし、大部分の戦車模型も内部はガランドウだから、インストの説明の範囲をベースにどうしてもと思われる部分だけを追加することにした。 2、まず、荷台の組み立てることに このキットのクセがわからないうちに、いきなり車体を組み立てると、失敗する可能性があると思ったので、まず、単純な形態の荷台を組み立てることにした。片側8個の車輪がついていて、しかもダブルタイヤなので、タイヤの数は24個+スペアタイヤが2個。各部にエッチングパーツが使用されている。荷台の組み立ての際にちょっとした落とし穴があるので紹介しておこう。 ・荷台と荷台の支え(12本)の合いが悪いので、仮組みをして調整する必要がある。 ・牽引車本体とのジョイント部は押し出しピン跡が目立つので整形が必要。 ・インストの[11]と[12]のところで、アクスルの部品の合わせのピンの穴が合わない。ピンをカットして組み立てるといい。とにかく仮組みを。 以上の3点だが、全般的に部品の精度や合いが、TAMIYAなどのキットに比べてよくない。一時代前の製品の合いのレベルだ。ちょっとしたズレであっても、積み重なるといくつかのタイヤが接地しなくなるとか、車体がゆがむとか、スキマが生じるというような結果になるので、とにかくていねいに、少しずつ、仮組みをしながら組み立てていくことだ。タイヤは付けないで、荷台の塗装が終わったあとで、付けることにした。補助タイヤもエッチングパーツの蓋を接着しないようにして塗装後にタイヤを入れるようにした。サイドのオレンジの反射板などはここでは付けない。 3、車両本体の組み立て キャビンは最後に組み立てることにして、インストの[6]から始めた。シャーシを組んでいくわけだが、[7]の部品番号D22のC59の接着のための穴の位置が逆になっている。D22の両端をカットして入れ替えた。また、[8]、[9]で使用するC62部品が3つ必要なのに2つしかない、その代わり少々大きめではあるが、D3という部品があったので、これを代わりに使った。タイヤは一応はめた状態で組み立てたが塗装時にはずした。またライト類やサイドのオレンジの反射板などはここでは付けない。 4、エンジン周辺の配管 インストでは付属のエナメル線やビニルパイプを使用して、配管を行うようになっているが、エナメル線は柔らかすぎて無理だ。0.5mmと0.8mmの真ちゅう線を模型屋さんで購入して使用することにした。エンジン周りの配管はインストで、0.35mmと0.5mmのエナメル線を使用するように指示されていたが、0.3mmではあまりに細すぎるので、0.5mmの真ちゅう線を使用した。結果的にはそれでも細すぎたようで、0.8mmの真ちゅう線を使用してもよかったと思っている。ビニールパイプで指示されている部分は付属のビニールパイプで対応した。配管の接続位置はインストの指示では不明確なので、以下のインターネットのサイトにある写真を参考にした。それでも車体内部や下部のどこにつながっているのかよくわからないので、表面上見える部分だけそれなりに行った。 http://www.kratz-intern.de/gallerie-wts-koblenz-faun-slt56.htm http://www.panzer-modell.de/referenz/in_detail/franziska/gal1.htm 5、車体後部の配管とワイヤーロープ 車体後部の左3本、右2本の配管は0.8mmの真ちゅう線を使用した。また、ワイヤーロープは付属のタコ糸は仕上がりが不安だったので、0.8mmのステンレスワイヤーを焼きなましして使用した。焼きなまししても巻きつけるのが難しく瞬着で固めた。ビニールのワイヤーを使ったほうがいいだろう。 6、キャビンの組み立て キャビンの内部を塗装し、窓ガラスをはめてから組み立てた。ここではワイパーは付けなかった。 7、塗装 前もって、タイヤはすべてはずしておいた。金属部分にメタルプライマーを筆塗りし、窓ガラス部分にマスキングゾルを塗って十分乾いてから、全体に下地にサーフェーを吹いた。その後、TAMIYAのアクリルカラーのNATO3色のうち、緑と茶は少し白や黄色を混ぜて明るくし、エアブラシで塗装。車体と荷台の下部はカーキドラブを吹いた。基本塗装が終わったらタイヤをつけ、窓ガラスのマスキングをはずして、ワイパーを取り付け、ライトやサイドのオレンジ色の反射板を付けた。この状態で、茶色や黒をペトロールで薄くといたものでウォッシングした。このとき、窓ガラスについてしまうと表面が荒れてしまうので、つけないように注意が必要だ。最後にデカールを張り、エッジをドライブラシして、タイヤの光沢を抑えるために、つや消し黒をタイヤ部分だけに少々吹き。最後に極薄いバフを車体下部中心にさっとふいて、ほこりを再現してみた。 ■最後に 部品点数が多い上に部品の合いが悪いのでその調整や、配管に時間がかかった。エッチングパーツもかなりの数だったし。普通の戦車キットの5倍くらいの労量がかかってしまった。1月の中ごろに購入して、完成したのが3月14日だから、ほぼ2カ月(実働でほぼ10日間)ほどかかってしまったことになる。これだけの大型キットなのだからやむを得ないだろう。なかなかに骨が折れた。しばらくは、これだけの大きなキットは作りたくない、というのが正直なところだ。とはいえ一年くらいたったら、今度はTAMIYAのドラゴンワゴンを作っているかも。いやいやそのまえに2年前に購入したブラックホークを作らねば、、。5年ほど前に作っていたITALERIのレオパルト2A4を載せて見せた。なかなかの迫力だ。
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| 牽引車全体。車幅表示の赤と白のプレートが鮮やか。 | 側面。8輪車で駆動輪は前から2つ目を除く6輪。前から2組はハンドルが切れる。キャビンの前面ガラスはオーバーハングしている。 |
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| 正面。赤白の車幅表示プレートのほか、FAUNのロゴ、像のマーキング、天井の表示灯、バックミラーなどが目立つ。 | 後面。車体後部もメカメカした感じだ。ナンバープレートの貼り付け位置がわからず、ラダーフレームに貼り付けたがこれが正しいのかどうなのか? 左のフェンダーが正しい位置のような気もするが、後の祭り。 |
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| 車体上部はメカがむき出し。パイピングは真ちゅう線やビニールパイプで再現されている。 | 写真中央に荷台をつなぐジョイント部がある。 |
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| こうやって牽引するのだ。 | 全長57センチのビッグキット。イタレリのレオパルト2A4を載せてみた。 |
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| ドイツ国旗はプリントアウトした紙。 | 右がキャビン。中央にエンジンがある。 |
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| 牽引車と荷台はこのようにつながっている。 | 荷台の最後部。遥か向こう(?)に牽引車本体。 |
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| 上から見た荷台の最後部。 | 荷台の組み立てが完成した状態。真ちゅう色の部分はエッチングパーツ。 |
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| 片側8輪でダブルタイヤのため、タイヤの総計は24個。 | 荷台の上に、牽引車本体を載せてみた。 |
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| キャビンを除く車体が完成。その1。 | キャビンを除く車体が完成。その2。 |
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