
チェコスロバキア製の38t戦車の車台を利用した車両ははなはだ種類が多い。信頼性の高いすばらしい車両だったのだろう。このグリーレH型はその一つで150mm重歩兵砲sIG33を搭載した自走砲だ。sIG33は建築物やトーチカなどを破壊するための重要な牽引式の火砲で、機動性の向上を目的にして戦車の車台に搭載することが度々試みられた。グリーレH型が誕生する前には、sIG33を砲架ごと1号戦車や2号戦車(バイソン2)に載せた車両が生産されたが、歩兵砲の重量に比べて車両の馬力が不十分であったため、成功した兵器とならなかった。グリーレH型では、砲架を外してsIG33のみを搭載したため、車両の負担が軽くなりバランスの取れたものとなったようである。グリーレH型は、1943年に90両が作られたそうである。キットはKIRINの1993年の製品だ。ふつう戦車模型のパッケージの表側は絵が描かれていることが多いのだが、このキットの箱は完成写真が8点レイアウトされている。KIRINのロゴデザインの感じやインストが、DRAGONにソックリ(DRAGONのインストは黒と青の2色刷だが、これは黒と赤の2色刷)なので、DRAGONと深い関係があると思われる。模型業界に詳しい方なら答えご存知なのだろうが、私は経緯を知らないので、同一のスタッフが企画・制作した製品だろう、というコメントしかできない。中身はDRAGONから発売されていたものと基本的には同じだと思われる。車体や足回りはITALERIの38t系列からの流用。DRAGONのシャーマン系列などもITALERIの流用が多いがそれと同じことだ。ただし、転輪はボルトの多い旧タイプが別に用意されている。オープントップの戦闘室やsIG33歩兵砲はDRAGONタッチだ。また10点ばかりのエッチングパーツも付属しているのがうれしい。 ◆今回の制作の方針 1、銅線や銅のチェーンで細部をグレードアップしてみる。 最近手に入れた「ピクトリアルドイツの自走砲」という本に、グリーレH型の写真が5枚あった。そのほか、マーダー3の各タイプやヘッツアーの写真が多数あったので、これとパッケージの完成写真を比べてみた。まず、最初に気づいたのは、前面と左右の装甲板の上部の側のフックが太すぎることと、同じ各装甲板の下部にに取り付けられたリングが模型にはないことだ。とにかく、今回はこれを出来るだけ実車どおりにすることにした。フックは銅線をプラバンに巻き付けて曲げ、U字型のフックを18個作った。リングは、チェーンの鎖を外して、楕円形だったものをピンセットでできるだけ円になるように調整した。ワイヤーロープは、前回の4号戦車F2型と同じくステンレスのワイヤーを焼きなまししてツルハシと一緒に取り付けた(ヘッツアーの実車写真を参考に)。あと、車体後部のプラスチックモールドチェーンを銅のチェーンに取り替えた。銅線、チェーン、ワイヤーはそれぞれ200円で、合計600円だが、5台から10台ぐらいに使用できるだろうから、1台あたりのコストはたった100円。 2、転輪を始め装備品の交換 足回りを組もうとして、転輪の裏にモールドのないのを発見した。見えないところだがちょっと情けないので、夏に池袋の東武デパートのタミヤモデラーズギャラリーで購入したTAMIYAのマーダー3の転輪を使った。元の転輪と取り付け方が違ったので、サスペンションごと交換。表側のボトルのモールドもマーダー3のもののほうがとてもシャープで、足元が引き締まった。サスペンションを取り替えたために2番目と3番目の転輪の隙間が実物より少し開いてしまったのがちょっと失敗。その他の装備品としては、MG34やMP40、ヘルメット、雑嚢、ジェリカンなどを追加した。スコップと斧は、実車写真ではフックなども見つけられなかったが、なんか殺風景なので、マーダー2のように、左の装甲板にくっつけてみた。 ◆総括 銅線やチェーンによるグレードアップは、意外に楽に精密感を高めることができたように思う。実車の資料さえあれば、どんな車両にも使える方法だ。一番面倒なのは、キャタピラを自然な曲線でたるませることだ、色を塗るのが先か、組み立てるのが先か、車体の塗装との順序は、といった問題があって、いつもなかなかうまくいかない。何かいい方法はないものか。戦闘室内部については、手を入れだすと切りがないようにも思う。 |
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| ダークイエローにレッドブラウンの迷彩。グンゼのミドルストーン(ベースにカーキを塗装)とTAMIYAのレッドブラウンを使った。鋲が目立っていい感じだ。 | 組立が90%終了した状態。足回りをTAMIYAのマーダー3のものに交換。フックは銅線やチェーンをばらして使用。 |
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| 実車写真にはなかったが、左側面の装甲板に、TAMIYAの「4号戦車社外装備品セット」のスコップと斧を取り付けた。 | フックに水筒や雑嚢を、フェンダーにジャッキとヘルメットを取り付けた。 |
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| 車体前面には4つのリングを取り付けた。 | ワイヤーやチェーンは金属の本物を使用。バケツがこの位置で引きづってしまいそう。 |
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| ドライブスプロケットは、前についている。キャタピラは純正の組立式をそのまま使用。TAMIYAのドライブスプロケットの歯車との間に多少隙間があく。 | 後部のアイドラホイール。フェンダー上にジェリカンを追加した。 |
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| 戦闘室には弾丸や無線機などがもともとついていたが、MP40、MP34、ガスマスクケースなども追加。 | 38tの車体を最大限に使っているので、意外に広い戦闘室。 |
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| ぶっとい150mmのsIG33歩兵砲と前面装甲板。 | 2号戦車の車台を拡幅・延長してsIG33の載せたバイソン2とのツーショット。 |
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