◆M36B1

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第2次世界大戦の傑作戦車であるM4シャーマンには、系列の車両が数多い。装甲のぶ厚いドイツの重量級戦車に対抗するために、より強力な砲をオープントップの砲塔に載せた、いわゆる駆逐戦車の各種タイプが作られた。M10、M36などである。M10には76mmの、M36には90mmの対戦車砲が載せられた。M10とM36のシャーシはシャーマンのものが流用されているが、車体のデザインは異なっていた。大きな変更点は、シャーマンでは左右の装甲板は垂直であったのが、M10、M36のそれは傾いており避弾経始を考慮したものになったことだ。このM36B1型はM36とはまた違ったタイプで、M4A3の車体そのままにM36の砲塔を載せたものである。M36シリーズ全体で1600台ほどが生産されているが、その中でM36B1は200台以下の生産台数であったようだ。さて、模型のことに話を移そう。M10M36の模型は1970年代にTAMIYAから35分の1(実際の大きさは32分の1ぐらい)のモーターライズキットが発売されており、最近はモーターライズ機構を取り外したものが、スポット生産されている。両方ともかなり古い製品のため、現在の尺度で見るといろいろと手を入れたくなるレベルだが、TMFACTORYのコレクションにもあるので、興味のある方はご覧いただきたい。M10はここ1、2年のうちに、AFV CLUBやACADEMYからかなり精密なキットが発売されている。両メーカーからは現時点ではM36系列は発売されていない。というわけで、M36系列の現時点での「決定版」は、今回のITALERIのM36B1ということになる。外箱には2000と記されているが、以前から別パッケージで発売されていたような記憶がある。この製品は過去に発売されていたM4A3の車体部品や、M4A1のシャーシ部品が流用されている。このキットの砲塔の大きさをTAMIYAのM36の砲塔と比べてみたら、大きさがほぼ同じであった。TAMIYAのM36の車体は明らかに32分の1ぐらいの大きさなので、砲塔の大きさが同じというのは変である。実車の写真などと比較した上での個人的な結論は、砲塔は34分の1ぐらいなのではないかということだ。TAMIYAのM36の砲塔はやや小さ過ぎ、このITALERIのM36B1の砲塔はやや大きすぎるという推論だ。もちろん実車を計測したものではないのであくまで私の主観である。

◆今回の制作の方針

1、ITALERIのM36B1の弱点(?)と思われる以下のポイントをアレンジする。

・砲塔がやや大きすぎる?

・キャタピラがM4A3としては一般的でない平型ラバータイプである?

・転輪とアイドラーホイールがM4A3としては一般的でない穴空きタイプである?

砲塔を5%ほど小さくするなどということは不可能なので、フットマンループや手すりに装備品を取り付けることで、砲塔のボリューム感をアイマイにすることとした。キャタピラはTAMIYAのM4A3のベルト式キャタピラ(スチールのシェブローンタイプ)を別売りで購入して使用した。これはエンドコネクタがついたタイプで、キャタピラの設置幅が広くなった。転輪は穴空きタイプでもかまわないのだが、ドラゴンのファイアフライVcの穴無のタイプに取り替えた。これで、M4初期型などと並べたときに違いがあって面白そうだ。

2、エッチングパーツなどで細部の精密感を上げてみる

精密感を上げるということにこだわってみた。そこで、ライトガードやハッチの留め金をFINEMOLDSのエッチングパーツでグレードアップした。少しお金はかかるが、何台分もあると思えばそれほどのこともない。フットマンループも使おうとしたが、小さすぎて不器用な私には無理だった。形を整えるのが難しいし、瞬間接着剤で砲塔に付けようとしても、ピンセットにくっついたりした。結局、銅線でそれらしく作って貼り付けた。ペリスコープは、M36B1のキットでは省略されているので、FINEモールドのものを使った。そのほか、TAMIYAの連合軍車両アクセサリキットや他キットに付属の毛布、雑嚢、砲弾ケース、ヘルメットなどを付加してみた。最近の人形を作るのをサボっていたが、今回はオープントップ砲塔なので、2名を搭乗させることにした。このキットにはフィギュアはついてないので、M4初期型に付属のM4A3用の車長と、大昔のTAMIYAの戦車兵セットの腰掛けている1名の体に、レジン製のアメリカ兵の頭部(バーリンデン)を合体させてみた。レジンというと高価だと思われるが、この製品は第二次大戦から現代までのアメリカ兵の頭部が25個入っていて880円だったから、一つ35円ほどである。

3、オリーブドラブの色合いにこだわってみる。

映画や実車の写真を見るとオリーブドラブという色は、緑の強いものや、茶色の強いもの、濃いものや薄いものなどいろいろある。グンゼの水性カラー、TAMIYAのタンクカラー、アクリル、エナメル、どれも微妙に色合いが違っている。また、塗装をしたあとで、ウォッシングをしたりすると、彩度と明度が下がってしまうこともある。模型の道具箱でオリーブドラブ色を探したところ、ビンが空で、模型やさんに買いに行くのも面倒だったので、アクリルのカーキグリーン、茶色、黄色、赤、青などを調合して3色ほどの明るめで派手めで緑がやや強いオリーブドラブを作ってみた。戦車の下部、側面、トップ面などで色を微妙に変えながら何回かエアブラシをし、黒と茶色の入った薄いエナメルでウェザリングを行った。

◆総括

M36B1としてより一般的な装備で、落ち着いた雰囲気のものに仕上げたかったが、どうだろうか? キャタピラの設置幅が広くなったため、全体的な安定感が出て、頭でっかちな印象を打ち消すことができたように思う。装備品を砲塔に周りにたくさん置いてみたがいつもながら自然な感じにするのはかなり難しい。今回もまだまだという気がする。久し振りに人形を乗せてみたが。人形を塗るのはとても苦手だ。どうしたらいいのだろうか?

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複数アングル

外観。シャーマンの強化型というイメージ。TAMIYAのM4A3のキャタピラがよく似合うように思うが、、。 側面。M4761式の砲塔を連想するフォルム。ロードホイールとアイドラーホイールは穴無しのタイプに交換。

前面。ペリスコープを取り付けたので車体のハッチを開けてよく見えるようにした。ワイヤーはいつもどおりステンレスのワイヤの焼きなまし。サイドミラーはキットに付属していた。 後部。車体や嫌砲塔にいろいろ載せているのがわかる。

砲塔とフィギュア。頭だけレンジを使用。フットマンループは銅線で作った。 後部の拡大。両側の補助キャタピラはTAMIYAのM4A3のもの。その他いろいろ載せてみた。

ライトガードはエッチングパーツ。サイドミラーが印象的。 車体と砲塔の上面。搭載品はこんな風に載せました。

このアングルだと車高の高さが感じられない。 このショットもなかなかカッコイイですね。

TAMIYAのM4初期型のツーショット。前面装甲の傾きの違いなども分かりやすい。 TAMIYAのM36とのツーショット。M36は砲塔の手すりを銅線で作り直すなどの工事中。


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