
まるで雪上車のような地味な車両だ。外観が近代的なデザインなので、第二次大戦後のもののように思われがちだが、戦中の車両。155mmカノン砲、いわゆるロングトムの牽引に使用されたので、アルデンヌの戦いの記録写真などでも見かける。今回紹介するNITTOのM4トラクタのキットは、最初発売された1960年代の後半にモーターライズキットとして発売されたものだ。当時、TAMIYA、NICHIMOといったメーカーは、戦車の模型シリーズを発売していたが、両社の製品アイテムにはこのM4トラクターのようないわゆるソフトスキンはなかった。そんな時代にあって、NITTOはこのM4トラクター、M3ハーフトラック、M16高射自走砲、ハノマーグといったキットをシリーズ化していた。MM以前の時代である。MMはモーターライズを外してスケールモデル性を高めたのだが、NITTOの作戦はモーターライズであった。当時中学生であった私は、TAMIYAの戦車キットにはまり始めていたが、戦車とは違った魅力のあるこのNITTOのソフトスキン群にも興味をもち、M4トラクターとM3ハーフトラックを購入して作った。そして、あれから、30年の時間が立った。M3ハーフトラックは手元に残っているが、M4トラクターはインストだけを残して、キットそのものはどこかに行ってしまっていた、、、、、、。2003年、もう一度M4トラクターを手に入れるチャンスがやってきた。ネットオークションで、M4トラクターを見つけたのだ。めでたく落札。購入したのは再販品のためモーターライズの機能が省かれていたが、市販の汎用ギヤボックスを使ってモーターライズに戻すことにした。さてうまく動いてくれるのか? ◆今回の制作の流れ 1、30年前のキットをモーターライズで復元。 ギヤボックスはTAMIYAのユニバーサルギヤを使うことにした。、、とはいえ、なかなかキットのスペースにうまくはまらない。削ったり、プラバンや他キットのあまり部品などを使って、なんとかかんとかはめ込んだ。電池を繋いでドライブスプロケットが回るか実験してみた。大丈夫だ。 2、足回りの制作 パワートレインがうまくいったので、次に足回りを組むことにした。インターネットなどで、実車の写真を探してみた。基本的にはキットの足回りは実物と同じような形なのだが、一つだけ違う点を発見。実物はロードホイール、アイドラーホイールがシングルなのだが、キットはダブルだ。したがってキャタピラも実物とちがう。実車はガイドがキャタピラの両端にあるのだが、キットのキャタピラはセンターガイドタイプ。シャーマン戦車なども、当初は、ロードホイール、アイドラーホイール共にはシングルであったが、サスペンションがHVSSになって、ホイールもダブルに変更されているので、このM4トラクターの場合も、2つの形式があるのかもしれない。もしかしたら、走行時にゴムキャタピラが外れないようにするために、キットの設計時にダブルに変更したということがあるかもしれない。ダブルの実物があったかどうか、いずれ調べてみよう。ということで、今回はそのままダブルで組み立てた。シャーマンの他キットからシングルロードホイールを拝借し、ボギーの幅をツメれば、意外に簡単にシングルタイプに改造できそうな気もする。その際には、キャタピラ交換も必要だ。ドライブスプロケットが寂しかったので、M4シャーマンのものをくっつけてみた。実車写真もだいたいこれと同じようなスプロケットだった。 3、車体の組立とデカール 車内はまったくのがらんどう、あまり寂しいので、操縦室にダッシュボード風のものを構築してみた。とはいえただ箱を置いただけ。車体上面のモールドの工具類はすべて削ってACADEMYやTAMIYAものを載せてやった。マーキングは、他のキットから、星の外側に円が描かれている戦中タイプを拝借した。 ◆総括 M4トラクターのスケールモデルは、レジン製のものがあるようだが、こうして30年前のモーターライズモデルをベースに遊んで見るのも楽しい。そのうちAFVのロングトムを組み立てて引かせ走らせてみたいものだ。 |
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| 外観。雪上車のようなイメージ。 | 電車みたいなデザイン。足回りのレイアウトはスチュアートに似ている。 |
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| 正面、マーキングは、インターネットで見つけた復元車両を参考にした。 | 後面。まったく四角だ。 |
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| 数体のフィギュアがついていたが、大きさが40分の1くらいなので使わなかった。これはITALERIのM7プリーストに付属していたもの。 | さすが牽引車両だ。頑丈そうな牽引フックが付いている。 |
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| 車体の上のモールドで再現された装備品は削って、ACADEMYやTAMIYAのものを付けた。 | フィギ大きさの比較のためITALAERIのJEEPを置いてみた。 |
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| 塗装前の状態。ルーフに工具満載。 | |
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