◆ナースホルン

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タイガー(ティガー)とパンサー(パンター)は超メジャーな戦車で、戦車模型ファンでなくとも知る人は多いが、エレファントとなると知る人が少なくなり、「ナースホルン」と聞いて思わず笑みをこぼすとしたら、かなりの戦車模型ファンだろう。そう、あなたのことです。さて、このナースホルン、最初は「ホーニッセ」(スズメバチ)という名前がつけられたそうだが、ヒトラーが気に入らず、ナースホルン(哺乳類のサイの意味)と改名されたという。こんな細かいことにも口を出すとは、ヒトラーらしい。別にヒトラーを信奉するわけではないが、この重厚な自走砲にはススメバチよりサイがお似合いだろう。搭載する71口径の88mm砲はタイガー1の56口径をしのぐ長大さで、エレファント、キングタイガー、ヤクトパンサーと基本的に同じものだ。20トンそこそこの3号/4号車台によくもまあこんな巨大な砲を積もうと考えたもんだ。ナースホルンは対戦車兵器として作られたもので、T34やKV1を撃破するのが主任務であった。ナースホルンは1943年夏のクルスク戦にも投入された。このとき、パンサー、エレファントは初土俵であったが、パンサーはマシントラブルに悩まされ、エレファントは余りの重量のため、性能に見合った働きができなかったそうだ。意外にこのナースホルンが働いたのではないだろうか。とはいえ、戦車ではないから防御力は貧弱だ。オープントップでしかも戦闘室の周囲の装甲板はわずか10mm。これでは榴弾1発で大破したのではいか。「敵の戦車の射程の外から攻撃し、もし敵が近づきそうなら待避する」という戦術だったのだろう。結局、射程の長い重火力・重装甲のT34/85やJS2が登場してからは、力不足となり、重装甲のヤクトパンサーに置き換えられたようだ。生産台数は500台ほど。強さと弱さが同居したこのナースホルンに哀愁を感じるのはわたしだけだろうか。ナースホルンの35分の1のキットは、長く発売されなかった。4号戦車の車台を使った車輌であれば、4号のバリエーションとしてTAMIYAあたりから早いうちに発売されていただろうが、このナースホルンは、3号/4号車台と呼ばれる新設計の車台が使用されており4号車台より長い。今回紹介するキットは1992年に発売されたDRAGONのキットだ。10年も前の製品でDRAGONの初期の製品で、エッチングパーツ改良のための部品が各社から山のように発売されているらしい。

◆今回の制作の方針

1、DRAGON初期のキットをほとんど素組み

とにかく、サードパーティの改良キットは使わず、素組みで作ってみることにした。一番困ったのは、前部のフェンダーの形が妙なことだ。箱絵の完成写真ともちがうのだ。いろいろ修正してみたがうまくいかないので、先端のフェンダーを取り付けず、キャタピラがむき出しになるようにした。これはこれでワイルドな感じがして良かった。

2、少々部品を追加

手を入れたのは、装備品やライトなどをTAMIYAの「4号戦車車外装備品セット」から調達したこと、ワイヤーをステンレススチールに取替えたことなど。広い戦闘室が殺風景だったので、TAMIYAの「キングタイガー砲弾セット」の徹甲弾と榴弾、「ドイツ戦車兵 砲弾搭載セット」の弾薬ケースを置いた。本来は弾薬ケースは地面に置き中身の砲弾だけを戦闘室のケースに移動するのが普通なのだと思うが、木箱ごと運び込むというシチュエーションがあってもよいのではないだろうか。また、長大な88mm砲は不安定で固定されていることが多かったので、トラベルリングに固定した。トラベルリングを立てたり倒したりするヒモ(ワイヤー)を追加工作した。最後にヘルメット、飯盒。ガスマスクケース、予備転輪などを適当に配置。

3、塗装は暗黄色の単色塗装

組立て接着式のキャタピラを使用するときには、一度ホイールに巻くように組み立ててから、前後の2個所を外して、本体や転輪とは別に塗装し、本体の塗装が乾いてから塗装済みのキャタピラをはめ直すという方法を行っているが、塗装しているうちにキャタピラが途中で外れたりすることも多く面倒だ。今回はキャタピラを完全に接着してからエアブラシを絞って、塗り分けた。

ナースホルンの迷彩は、暗黄色ベースに現地で緑、茶の迷彩という通常のパターンでよいらしい。最初、暗黄色と緑の2色迷彩にしようとしたが、暗黄色がなかなかキレイに塗装できたので、単一塗装とした。

1、まず、陰の部分中心に全体に茶褐色を吹く。

2、転輪のゴムの部分に暗いグレイを吹く。

3、キャタピラに艶消しのシルバーグレイを吹く。

4、車体全体に、暗黄色(グンゼのミドルストーンにTAMIYAのつや消し剤と、フラットイエロー少々を混ぜたもの)を吹く。転輪とキャタピラに出来るだけかからないように。角を残し気味におおざっぱに吹くと、陰に暗さが残って立体感が出る。

5、足回りを中心に、乾いた泥色(フラットアース、ダークイエローなどを混ぜて適当に作った色2色)を吹く。

6、キャタピラにメタリックグレイでドライブラシ少々。

7、茶褐色の薄いエナメルでウェザリング。

8、デカール貼り付け。

◆総括

そのまま組むと車体前部に隙間が空いたりするので、少し削ったりした。前述したように、前部フェンダーの改造に手間取ったが、結局削除。はじめから削除すればそんなに時間はかからないだろう。手元にあった実車写真と比べながら作ったが、外観については特に変なところは私には感じられなかった。1つだけ気になったのは車体中央の吸気の格子だ。実車写真では横向きに4つに別れている部分の間隔が均等なのだが、このキットでは両側が広くなっている。まあ、いろんなバージョンがあったかもしれないので、間違いかどうかは私にはわからない。戦闘室は、最近の製品の密度感から比べれば、おおざっぱであるし、細かいことを言えばいろいろ弱点があるのかもしれないが、私としてはこの完成品はとても気に入ってしまった。哀愁のナースホルン。十分楽しめたというのが実感である。さて、最近、ナースホルンのリニューアル版を開発中という情報が雑誌に載った。発売されたら、是非作ってこのキットと詳しく比較してみたい。

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複数アングル

外観。88mm砲が長大なため、車体そのものが砲塔という感じがする。砲撃時以外はトラベルリングで固定されている 側面。エンジンは車体中央にあるる。このほうが戦闘室が広く取れる。マーダー3M型、ヴェスペなどに共通するレイアウト。自動車風に言えば「ミッドシップエンジンフロントドライブ」だ。

前面。車高はかなり高く、タイガー1と同じくらい。 後部。車体後部の装甲板が観音開きになっていて、砲弾の積み込みなどが容易。

戦闘室を

取り巻く装甲板の厚さは10mmしかないという。戦車ではない。やはり動く大砲なのだ。

71口径の88mm砲の強大さがわかるアングル。

予備転輪、ヘルメット、ガスマスクケースなどを適当に配置した。 真鍮製の砲弾がリアリティを高めるているでしょ。

88mm砲の基部はかっちりとよく出来ている。 広い戦闘室。旧いキットなので密度感はやや低い。

同じ3号/4号車台とほぼ同様の装甲板をもつ150mm自走榴弾砲のフンメルとのツーショット。 フンメルは3色の太い帯がお似合いで、ナースホルンは単色がお似合い(?)


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