◆NbFz ノイバウファールツォイク

◆新作紹介にもどる


「NbFz」を知ってるとしたら、なかなかの戦車マニアだ。「NeubauFahrzeug=ノイバウファールツォイク」という舌をかみそうになるこのドイツ語が意味するものは「新型車輌」。戦後のドイツ連邦軍の新兵器かな? とも想像したくなるが、これは今から70年ほど前の「新型車輌」である。1930年代、ヨーロッパの国々では陸上の戦艦ともいうべき巨大な車体に複数の砲塔を搭載した多砲塔戦車の試作開発がブームとなった。イギリスではインデペンデンス戦車が、ロシアではT28やT35が、そしてドイツではこのNbfzが作られた。最初2台のプロトタイプが作られ、1935年には実用試作車が3台製造された。結局のところ、電撃戦の戦術には不要ということになり、NbFzはそれ以上作られなかったが、1940年の4月に3台がノルウェイ侵攻作戦に投入されて使用されたという。戦闘能力のある実用試作車はわすか3台しか作られなかったという超マイナーな戦車なのだが、いかにもドイツっぽい造形は戦車模型ファンにとっては是非とも手元においてみたいアイテムではないだろうか。私も何十年も前から模型を是非作ってみたいと思っていたのだが、これまでインジェクションキットでは発売されず、いくつかのソフトビニルやレジンのキットがあるだけだ。今回紹介するNbFzはARMO社のレジンキットだ。購入してはみたものの、あまりの部品点数の多さに、作る気にならず、しばらく押し入れにしまっていたのだが、実車の写真を眺めていたら急に製作意欲が湧いてきて、10月になって急に作り始め、正味丸6日程の製作時間で完成にまでこぎつけた。何しろ、これだけ大物のレジンキットは初めてなので、硬くて脆いレジンの材質と、エッチングパーツのフェンダーの組立には苦労した。まあ、なんとか騙し騙し完成はしたが、いろいろと失敗をした。キット自体は、なかなかよく出来た製品なので、高度な工作技術を持ったモデラーが作ればもっと旨く作れと思う。皆さん是非チャレンジを

◆今回の制作の流れ

1、大物レジンキットに初挑戦

レジンキットは、これまで作ったことがない。レジンを扱ったのはCMKの35t戦車にレジンの部品が若干あったときと、バーリンデンのフィギュアの首だけだ。しかもフェンダー、工具の取付け金具、などはすべてエッチングパーツ。経験も技術もない状態ででこの大物レジンキットに手を出すとは、、、、。恐いもの知らずとはこのことだ。

2、レジン部品の切り出し

まずはレジンの部品の切り出しに苦労した。レジンは硬くて脆い上に、湯口が時には部品そのものより大きいこともある。部品の切り出しと整え形に丸2日かかった。最初はスチロール樹脂(普通のプラモ)のように切ろうとしたが、それではうまく行かない。傷をつけてパリンと割るほうがいいこともある。ただし、湯口との境が割れないで部品の一部がかけてしまうこともあり、瞬間接着剤で補修した。

3、レジンの組立

ご存知のようにレジンは通常のプラモの接着剤では付かないので、瞬間接着剤を使うのだが、これがまた厄介だ。普通のプラモなら、大体の位置で2つの部品を合わせても、後でずらして調整ができるが、瞬間接着剤の場合、すぐにくっついてしまうので、最初から位置決めを正確にやる必要がある。組立時に一番困ったのは、ドライブスプロケットと誘導輪の位置決めとキャタピラの組立だ。ドライブスプロケットと誘導輪が少し斜めになってしまい、キャタピラも少し傾いてしまった。仮組みによる位置調整が不十分だったようだ。サスペンションは意外に楽にきっちり組むことができ、転輪をすべて自然に接地させることができた。

4、エッチングパーツ

フェンダーをエッチングパーツで組むのは初めて。気をつけてやったのだが、案の上、車体に対して垂直に付けることができず、少し傾いてしまった。残念。工具の取付け金具は3つの部品を組み立てるのだが、これがなかなか大変だった。

5、塗装

塗装は組立をすべて終えてから行った。まず、エッチングパーツにメタルプライマーを筆塗りした後、全体にサーフェイサーを吹いた。TAMIYAアクリルの黒、暗めのグレイ、明るめのグレイ茶褐色、カーキー、ブルーなどで全体をエアブラシ。キャタピラには、わずかにメタリックと茶褐色を混ぜた明るめのグレイを、エアブラシの先を絞って塗装。車体下部にはアース色を軽く吹いた。エナメルの薄い茶褐色でウェザリングをしドライヤーで強制乾燥させた。マーキングはノルウェーのオスロで撮影された実物の写真が手元にあったので、それを再現することにした。このキットにはデカールは入っていないので、TAMIYAのグライフから白十字のデカール3枚を流用し砲塔の左右側面と車体前面に貼った。車体前面むかって右のドライバーズハッチの前に象の顔を描いたマーキングが描かれていたようなので、それを筆で描いてみた。手持ちの写真の象の絵が不鮮明だったので、多少想像になった。ほんとにこれでいいのか自信がない。

6、エナメルのタン色でドライブラシ

エナメルのタン色を使ってドライブラシ。最後にエアブラシで車体下部を中心に泥汚れを吹き付け。最後につや消しコートを軽く拭いた。

◆総括

正直いってレジンキット作りの大変さがよく分かった。インジェクションのように急いで作るのは難しい。もう少し時間をかけて仮組み等を慎重にやれば完成度が上がったに違いないと反省している。私の技量のなさのため完成度はイマイチになってしまったが、インジェクションキットにない、エッジの鋭さ、モールドのリアリティなどはさすがレジンと思えるものだった。そしてなによりもインジェクションでは発売されていないアイテムをコレクションに加えることが出来たことは何よりの歓びであった。

クリックで写真が大きくなります。ミリタリモデル図鑑へ

複数アングル

外観。車体の全長はパンターとほぼ同じという巨大な戦車である。 側面。車体の高さが後ろに行くにしたがって下がっているのが特徴。

前面。むかって右のマーキングはノルウェーのオスロに投入されたときのものを手描きで再現。 後部。フェンダーが両側に斜めに傾いてしまった。失敗だあ。

主砲塔には75mm砲と37mm砲が連装にされ、機関銃も装備されている。2つの副砲塔には機関銃 とりあえず、1号式戦車に載せていた、ベレーの戦車兵を載せて見た。

前部フェンダーの高さは人間の身長くらいもある。 エグゾースドパイプなどが、フェンダーの上にごちゃごちゃとある。

ソ連のT28とのツーショット。この写真ではNbFzのほうが手前なので大きく見えるが、実際は、T28のほうが一回り大きい。 3号潜水H型とのツーショット。全長はNbFzが大きく、全幅は3号戦車が大きい。

主なレジンパーツのみを組み立てた状態。右は2号c型。


ホームに戻る


ご注意:このホームページに収録されている写真、文章などを、TM FACTORY主催者あるいは各著作権者に無断で転載あるいはコピーすることはできません。なお、リンクはご自由にしていただいてかまいません。