◆2号戦車c型

◆新作紹介にもどる


35分の1の2号戦車模型として最初に世に出たのは、TAMIYAのF/G型だろう。1971年の初夏の発売でMMで最初の戦車でもあった。パッケージには直前に発売され、かつこの戦車に同梱されていた「ドイツアフリカ軍団歩兵セット」の4名のフィギュアと一緒にサンド塗装の2号戦車が描かれていた。インストの解説もアフリカ軍団に紙面を割いていたので、この2号戦車はサンド色に塗装した方が多かったのではないだろうか。このキットのあと長い間、2号戦車の35分の1の新キットは出なかったようで、各社から発売されたのは20年経った1990年代になってからだ。今回のc型はポーランド戦やフランス戦の電撃戦で主力になったもので、ロシアのALANのキット。電撃戦の雰囲気を想像しながらアフリカ戦線のF型とは一味違った2号戦車を作ってみた。

◆今回の制作方針

1、シュッツミュッツェの戦車兵を搭乗させる

「シュッツミュッツェ」。舌を噛みそうな言葉だが、1940年のフランス戦ごろまで使用されたドイツ戦車兵のベレー帽のことだ。イギリス軍などのベレー帽は斜めにかぶるのが普通のようだが、当時の写真をみるとドイツの戦車兵はみんなこのベレーをまっすぐにかぶっていて風変わりだった。長い間なぜだろうと思っていたが、最近このベレー帽の中にヘルメットが内蔵されていることがわかった。なるほど、それなら斜めにかぶることは不可能だ。ただし、このシュッツミュッツェは重すぎて不評だったらしく、1940年のフランス戦以降は使用されなくなったという。ドイツ戦車兵のフィギュアはこれまで各模型メーカーからいろいろなものが発売されてきたが、シュッツミュッツェをかぶったものは、数が少ない。あれだけたくさんのフィギュアを発売しているTAMIYAのMMの中でさえ、私の知る限り8輪装甲車に付属の1体のみだ(これ勘違いで、4号D型に3体付属しています。とはいえ少ないですよね−2001年1月21日修正)。戦車模型の主力製品が、独ソ戦以降に使われた戦車なので、そういうことになったのだろう。前置きが長くなったが、電撃戦の雰囲気を出すには、シュッツミュッツェをかぶった戦車兵が必須だが、この2号c型にはフィギュアが付属していない。どのように調達しようかと悩んでいたところ、新宿3丁目のイエローサブマリンで、フィギュアの部品のバラ売りをしており、ここでシュッツミュッツェを4つ見つけた。同時にDRAGONの6014の戦車兵セットを購入。この戦車兵セットは1944〜45年の設定だが、戦車兵の服装は余り変わらないだろうと判断し、今回の目的に合った2体を選んで作ってみた。

2、基本工作に手を掛けてみる。

旧ソ連や東欧のメーカーは、これまで、TAMIYA、ITALERIといったメーカーが発売してきたメジャーアイテムではないユニークな製品を発売してくれるのでとてもうれしいのだが、部品の接合部に隙間が発生したり、部品同士が干渉してうまく組めないこともある。これを避けるには、丁寧に仮組みをして、必要に応じてパテなどで修正することが必要だ。しかし、こうした基本的な工作をしっかりやると、TAMIYAやITALERIに勝るとも劣らないものができあがり、努力の甲斐が報われるというものだ。今回のALAN社もすばらしいキットをたくさん発売しており、私のお気に入りのメーカーであるが、基本工作に時間が取られるキットが多い。今回調整した点は、以下の3つ。

・足回りのドライブスプロケットとアイドラホイールの位置を転輪に合わせる。

・左右のフェンダーを正しい位置にする。

・砲塔のヒケの修正。

そのまま組むとドライブスプロケットとアイドラホイールが2mmほどフェンダーの左右に飛び出して転輪の位置と合わなくなり、当然キャタピラもうまくはめられなくなる。ドライブスプロケットとアイドラホイールの軸や車体側の基部を削ってフェンダー内に収まるようにした。

左右のフェンダーをそのまま組むと、フェンダーが正しい位置より後ろにずれてしまい、キャタピラがはまらなくなる。誘導の突起を削って正しい位置までずらした。

砲塔の上部に数箇所のヒケがある、目立つ部分なのでパテで修正。

3、パンツァーグレイの塗装に深みを持たせる。

sIG33からの課題であるパンツァーグレイの単調さを解消する工夫をしてみた。基本はsIg33の場合と同じだが、今回は若干青みを強くした。戦車兵の襟のピンクとのコントラストを狙ってみたがどうだろう。

◆総括

上記のポイントに着目して制作した。ほとんどストレイト組みで、車体の左後部を中心に荷物を積み込んだことと、ライトにガンプラ用のH-EYESという透明のプラスィックレンズを使ったこと、フェンダーの前後端に「うすうす攻撃」(AM誌参照)をしたことなどだ。もともとよくできたキットなので、基本工作に時間を掛けて、私なりには満足のいった仕上がりとなったように思う。デカールが非常に薄いので失敗しそうなったが、なんとか貼れた。TAMIYAの新しいジェリカンセットを初めて使ってみたが、曲線がとても自然でよかった。デカールは1940年にフランスに侵攻したロンメル率いる第7装甲師団のものを使用。

クリックで写真が大きくなります。ミリタリモデル図鑑へ

各部写真

全体。車体と砲塔はエッジが尖っていてメリハリのある好キット。 側面。かっちりとした足回り。

前面。ライトはH-EYESを使用。左前の師団マークはロンメルの第7戦車師団のもの。 後面。エグゾースドパイプの覆いは同梱のエッチングパーツでリアリティ抜群。荷物を色々載せてみた。本当は正しい乗せ方があるのかもしれないが、これは想像で適当にやったもの。

操縦士「あの山の向こうがパリですよ」

車長「そうか、後一息だな」

車体右中央のフェンダー錠には20mm機関砲の弾薬ケースを乗せてみた。

フィギュアと荷物の拡大。あいかわらず、フィギュアの塗装がイマイチですね。いったいどうしたらいいのでしょう。 TAMIYAのF/G型とのツーショット。車体前面の形状がだいぶ違う。砲塔のキューポラやハッチは実車の形式による違いだが砲塔自体のニュアンスの違いはメーカーによるアレンジの結果。


ホームに戻る


ご注意:このホームページに収録されている写真、文章などを、TM FACTORY主催者あるいは各著作権者に無断で転載あるいはコピーすることはできません。なお、リンクはご自由にしていただいてかまいません。