
KV戦車の車台に152mm榴弾砲を搭載した自走砲。1943年のクルスク戦での戦闘が有名。タイガー1、パンサー、エレファントなどのドイツの重戦車を相手に戦ったことから、「猛獣殺し」の異名がある。ロシアの戦車はプラモデルの黎明期から世界中のプラモデルメーカーが製品化してきたが、SU152については長らくインジェクションキットが発売されておらず、90年代末に発売されたこのロシアのEASTERN EXPRESS社のものが唯一のキットだ。同社のKV1シリーズを発売するにあたってバリエーションの一つとして発売されたものだ。 今回の制作の流れ 1、素組みに徹する 箱を開けたとたん、非常にバリが多いのに気がついた。正直いって私が組み立てた多くのプラモデルの中でも「最高水準」のバリだった(笑)。ロシア製のキットということで、ある程度の覚悟はしていたが、これまで作ったEASTERNのPT76やBA装甲車のバリの比ではない。とにかく丁寧にバリを取るしかないと思って作業を始めることにした。キャタピラはポリ製で片側2枚で構成されているが、これもバリが多い。しかも柔らかい材質のため、ナイフをかんなのように使ってもバリ取りがなかなかうまく行かないかもしれないと思った。SU152は、独ソの最も激烈な戦車戦といわれているクルクス戦に登場しているため、模型雑誌で頻繁に行われているクルクス特集では、よく作例が掲載されている。こういった作例は大抵モデルキャスタンの組立式駆動キャタピラが使われている。どうしようかと思案したが、付属のポリキャタピラを使ってどこまでリアルに出来るかに徹してみることにした。素組みで行こう。 2、意外に部品の合いはグッド 部品のバリを取るのにはかなり時間がかかったが、各部品は、厚いところは厚く、薄いところは薄く。ゴツイところはゴツク、繊細なところは繊細に、という風にメリハリが効いていてとても好感が持てるものだった。車体下部は板を組み合わせて作るものであったが、予想以上にきちんと組み立てられ、車体の上下部品の合いも良かった。キャタピラは可能な限りナイフでバリを取ったあと、粗いサンドペーパーをかけて細かいバリを削った。 3、キャタピラの弛みはピアノ線で押さえて表現 キャタピラのたるみは、車体からピアノ線を出して、キャタピラを押さえるようにした。本来は上部転輪とキャタピラは「鋭角的」に折れ曲がるべきだが、このようなポリキャタピラではその表現は難しい。うねったようにするしかないのだが、走行しているときは、こういううねった感じになるので、我慢することにした。 4、ワイヤーとライトなど ワイヤーは両端の金具しか部品化されていないので、ワイヤーそのものは、自分でちょう達する必要がある、いつも使っているステンレスワイヤーを使用。ライトのガラスにはは、これまたいつものH-EYESのクリヤレンズを使うことにした。このキットの問題点として、実車ではペリスコープが5個使用されているのに、4個しか入っていないということがある。以前BA装甲車を作った際に、本来2つあるはずの予備転輪が1つしかなかった。どちらの場合も、ランナー構成の都合によるものだが、このあたりがロシアのおおらかさなんだろう。 5、塗装 まず、車体全体をエアブラシで塗装。アクリルの複数のグリーンを使って、斑にした。その際車体下部はバフやフラットアースを混ぜた色を吹いた。キャタピラにはメタルカラーを混ぜて細吹き、多少色がはみ出すが、どうせ、汚し塗装をするので気にしない。黒茶をペトロールで薄くといてウォッシング。足回りにパステルで泥付きの状態を再現。SU152の転輪は鋼鉄製のためキャタピラと接する部分は塗料がはげているのが普通だ。鉛筆とエナメルメタルをドライブラシして、はげた感じを表現。最後に、キャタピラの設置面やワイヤーをシルバーでドライブラシし、車体の各部をハゲチョロ塗装して完成。マーキングは、クルスク戦時のデカールがキットで用意されていないし、雑誌のクルスク戦のSU152にはマーキングのない例が多いようなので、最初デカールを使わないで完成させていたが、あとになって、淋しいきがしてきたので、急遽貼りつけて、その部分に新たにウォッシングや汚し塗装を行った。付属のデカールはロシア文字の雰囲気が非常によく(ロシア語がわかるわけではないのであくまで気分問題だが)、材質も薄くてかつしっかりしているのでとても貼りやすいし、貼った跡をわからなくするのもやりやすい。 ◆総括 ロシアの戦車は、世界中のプラモデルメーカーから発売されているが、ロシアのメーカーが作ったこのキットはいかにもロシア戦車らしい雰囲気を漂わせているように思う。やはりお国柄が出るということだろうか。バリの問題以外は作りにくいキットではないので、もし、ロシア製ということで敬遠されている方は、是非、チャレンジしてみて欲しい。久しぶりに戦車らしい戦車を作ったという快い満足感が残った。 |
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