
歴史上もっとも多く生産された戦車はT54/55だ。およそ9万台というから、T34やM4シャーマンを大きく引き離している。そのうえ、1950年ごろに登場し様々な改造型や改修が加えられてながら、50年以上も第一線で使われているというのもめずらしい。これだけのベストセラー戦車となった理由はなんだろう?私は戦車の専門家ではないので、あくまでも素人考えなのだが、最大の陸軍国の戦車であったこと、社会主義国やアラブ諸国で採用されたことが背景にはあるのだろうが、「戦車の重要な機能がバランスよく盛り込まれていた」ということにつきるのではないだろうか。T34から受け継がれた大型転輪と幅広のキャタピラ。斜めに傾斜した前面装甲。避弾経始に優れた卵を2つに切ったような砲塔。複合装甲が一般的になる前の時代においては、外観は最も合理的な形状であったのではないだろうか。強力でシンプルな100mm砲を積んでいたことも見逃せない。さて、このような超ベストセラー戦車であるが、プラモデルの世界では意外に良キットに恵まれてこなかった。35分の1では1960年代にTAMIYAから発売されたT55が最初だろう。このキットはあくまでもモーターライズを目的とした製品で部品点数も少なく現在の範疇ではスケールモデルと呼べる内容ではない。その後、1980年代にはESCI、リンドバーグといったメーカーから発売された。リンドバーグの製品はTMFACTORYのコレクションにもあるが、精密感に乏しく、72分の1の模型をそのまま大きくしたようなおおざっぱさだ。ESCIの製品は作ったことがなく完成品を見たこともないのでコメントできないが、聞くところによると決定版というにはやや物足りない製品のようだ。こうした中で、1999年になって中国のトランペッターという新興メーカーからT54/T55シリーズが発売された。これまでのT54/T55の模型に比べると格段にレベルアップした製品である。しかもソビエト本国使用のもの意外に中国、イスラエル、イラクなどで使用された改造型が続けさまにリリースされたのである。その後、2002年にはウクライナのSKIFというメーカーからT55が発売された。雑誌の記事によると内部が再現されたキットで、砲塔の形が秀逸だということだが、完成写真を見た限りでは、トタンペッターのものと比較した場合、一長一短があって、どちらがいいかは人によって違うのではないだろうか、私はどちらかといえば、トランペッターのものが好きだが、現時点ではニコイチ作戦で最高のものを作るというのも面白そうだ。今回はトランペッターのT54/T55シリーズのなかでも異彩を放つマインローラ付属タイプを作ってみた。フィンランド軍のものという設定だ。 ◆今回の制作の方針 1、足回りを改造 トランペッターのT54/T55シリーズの最大の欠点はキャタピラ。ベル式でモールドが甘く、私の買ったものはねじれてしまっていた。しかもドライブスプロケットがやや大きい。ここを何とかせねばならない。最初TAMIYAのT62Aのキャタピラを移植することを考えたが、資料を見ると、改修されたT55ではT72と同様のキャタピラを履いているということがわかったので、以前にイエローサブマリンの「パーツパラダイス」で手に入れたDRAGONのT72のキャタピラとドライブスプロケットを移植することにした。 2、チェーンやワイヤーに手を入れる。 ネット部品、チェーン、透明部品、ワイヤー用に糸など多種の素材が始めからついているのがうれしい。マインローラ用の金属製のチェーンをインストの寸法通りに切っていくと、数cm分足りなくなったので、手持ちのチェーンを一部に使用した。すべて短いのか私の買ったパッケージだけが短いのかわからない。ワイヤー用に用意されている紐が頼りないので、いつものようにステンレスワイヤーを使用。今回は焼きなましは行わず、自然な曲線はペンチで曲げてみたが案外うまく行った。特にマインローラを支持する部分のワイヤーは紐では、リアルな表現が難しいので、金属のワイヤーや他の模型のプラスチック製のワイヤーと交換した。フィギュアはフィンランド軍のものがよく分からないので、とりあえずTAMIYAのソビエトの戦車兵を載せてみた。 ◆総括 砲塔の鋳造肌の表現がなかなかいいし、多少バリはあるものの、基本的には問題なく組み立てられた、ABS樹脂製なので、普通のスチーロール樹脂系の接着剤ではくっつきにくいので、製品に付属のチューブに入っていた接着剤を空になったTAMIYAセメントの瓶に入れ、流し込み用の接着剤で薄めてそれを使ったり、瞬間接着剤を使用したりした。塗装はインストどおりに、暗緑色、明緑色、タン色の3色迷彩。車体の左前から右後ろにかけてタン色が帯のようになっている。マークはフィンランド軍の白地にライトブルーの丸。T55の丸い砲塔と色のせいだろうが。カエルの目玉みたいでお茶目な戦車になってしまったが。こういうのも面白いのではないだろうか。 |
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