ひらがな だいぼうけん

 

偕成社 1,200円+税

宮下すずか・さく
みやざきひろかず・え

もくじ

「い、ち、も、く、さ、ん」

「たべられたもじ」

「へのへのもへじ」

 

本を読むのが大好きな らっちゃん。

 

一番出番の多い「は」がいばっている?

夜、開きっぱなしにしたままの本から飛び出した「ひらがな」たちが,夜が明ける前にいそいで本に戻ってきました。

書評:『ひらがなだいぼうけん』 宮下すずかさん「活字は活きている文字」 2008.12.14 08:32

「ひらがなだいぼうけん」 「い、ち、も、く、さ、ん」「たべられたもじ」「へのへのもへじ」という「ひらがな」が活躍する3つの物語を収めた宮下すずかさんのデビュー作「ひらがなだいぼうけん」(偕成社)を読むと、50音表をじっくり眺めたくなる。何気なく書いている「ひらがな」だが、その姿を眺めていると、さまざまなことが見えてくる。何よりもそれぞれがえも言われぬ不思議で美しい形をしており、他に代え難い個性を持っている。  宮下さんは記号にすぎない「ひらがな」に生命を吹き込み、日本語の豊かな世界に読む者をいざなう。たとえば毎日新聞主催の「小さな童話大賞」受賞作である「い、ち、も、く、さ、ん」。使用頻度のもっとも高い「は」が偉そうな態度を取る。すると「が」は「は」がでしゃばりすぎると文句を言う。文章の中で格助詞の「は」と「が」のどちらを使うか悩んだ経験のある者なら、「が」の憤りがよく理解できるはず。文句を言われた「は」が「が」を蹴(け)飛ばすと「ひらがな」の世界はドミノ倒しのように大混乱を起こす。  学術書専門出版社の編集長を務める宮下さんは「活字には重さがありました。金属の活字を組んでいた時代と比べて、本の内容が著しく軽くなったように思う」と話す。インターネットの影響も甚大だ。他者が書いた文章をコピー、少しばかり手を入れて自分の文章にはり付け、それがさも自分の思考の産物であるかのように装った本が間違いなく増えている。  「活字とは活(い)きている文字。本物の活字を失うことで私たちは活きた文字を失い、活きた言葉を失いつつあるようです」  意表をつく内容で子供たちに大評判の本書は、そうした流れに対する、ささやかでありながら断固とした抵抗の書でもあるのだ。(桑原聡)

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